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溢れるMGS愛:PHILOS-ANTHROPOS

MGS語りや小説、考察?落書きと、愛しかない一風変わったMGS日記(不定期)

 
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Category: 短編小説【もくじ】 >  サニー・電脳に愛された少女  

サニー・電脳に愛された少女:初めての短編でした(笑)【MGS小説】

 




オルガ・ゴルルコビッチの娘、サニーが、スネークとオタコンの元に来てから、もう結構な月日が経とうとしていた。
ノーマッドが主要な生活空間になって、そして雷電と連絡が取れなくなってからも。

ノーマッドは生活に適した場所ではなかったが、機内から降ろそうとすると、サニーは首を降って足を踏んばった。
そうするとスネークは黙って降りてゆき、オタコンはサニーに謝り、彼女と一緒に機内に残ってしばらく過ごす。
そんな事を何度か繰り返し、結局ノーマッドそのものが、彼女の暮らす部屋のようになっていた。

搭載されている愛用のスーパーコンピューターは、元々はオタコンが自分のために作ったコンピュータ・クラスターだった。
それを2人で協力して、HPCサーバにまで進化させ、スパコン並の演算能力を実現したのがガウディだ。

オタコンが感嘆の声を上げたのは、言うまでもない。

日がな一日パソコンに触っている彼とサニーは、時々協力してハッキングをしたり、何かを作ったりして遊ぶ。
その延長で後に作られたのがメタルギア・マークⅡなのだから、とうてい小学生の工作レベルではない。

彼らのとんでもなく高度な遊びは、スネークなどには訳がわからなく、まるでオタコンが2人になったようで不気味だとぼやき、その両名に笑われていた。



サニーと遊んだり、なにかと稼いだりする合間に、暇さえあれば愛国者達の情報を漁っていたオタコンだったが、ある日悲しいような、怒ったような顔でノーマッドを降り、格納庫内に併設された居住スペースへとやって来た。

だらしなく椅子の背もたれに寄りかかり、煙草をふかしているスネークの正面の椅子に座り込み、テーブルのコーヒーを一気に喉に流し込む。

「…どうしたんだ、妙な顔して」

自分のコーヒーが飲まれた事に少々面食らいながら、スネークはオタコンを眺めた。
目の前の男はカップとスネークを見返して、少し申し訳なさそうな顔になり、スネークの方にそれを置いた。

「サニーの資料にアクセスできた」

深刻そうに呟く。

「そうか、そりゃ、よかったな」

スネークは何かを感じ取ったが、とりあえずアクセスできた事は進歩なのだろうと思い、一応祝いの言葉を述べた。
それに一瞬睨むように目を向け、すぐにそらすと、オタコンは続ける。

「オルガは、妊娠中かなりの投薬を受けてた。流産もしかかってる」
「……」
「…何のためだと思う?」

何のためか、考えなくても分かりきっていた。相手が不機嫌な理由がはっきりとしたスネークは、渋い顔になる。
同時に、オタコンが初めてサニーを抱き締めた日の事を思い出した。
ガウディが完成した日の事だ。
正確には、あの手作りのHPCCが、現役のスーパーコンピューターにも見劣りしない働きをすると確認できた日。
あの日オタコンは勢い余ってサニーを抱き上げ、頬にキスまで贈る喜びようだった。

「…なるほど、それでアレ、か」
「色々試されてる、当時開発されてた新薬をね。英才教育の、胎教の一貫としてだ。…人道的なやり方じゃない」
「今更だろう」

オタコンはテーブルの上で拳を握り締めた。スネークの諦めたような口調が憎らしかった。
けれども相手を見ると、白くなってきた睫毛の奥で、瞳が暗く虚ろに宙に向けられている。
実験の被害者になることの痛みや哀しみを、誰よりも見に染みて理解しているのは、この男だった。すぐにそう、思い出す。

「他にも被験者達がいたけど、ほとんどが駄目だったみたいだ。サニーは…きっとオルガの強さを受け継いだんだね」
「そうか、あの頑固さも頷けるな」

そう言い、口の端を上げるスネークにつられて、オタコンも疲れたようにだが、微笑んだ。

タンカーでスネークと戦っていた彼女。雷電を守り、ソリダスに殺された彼女。
オルガとは、スネークと和解した時に少しだけ話もした。サニーを愛していた、意志の強さと逞しさを持った、美しい人だった。

「生まれてからも、かなりの教育プログラムを施されてる。…薬も込みでね。それでも元気に産まれた子供は貴重だったんだろう、母体に対するのよりは、大分ましになってたけど」
「そいつはまた随分と思いきった教育方針だったんだな」
「病院を管轄してた研究局の責任者が、かなり独善的なやつだったらしいよ」
「ああ…」

いつもそうだ。恐ろしい事を考えるのは、必ず誰か少数の人間で、けれども行うのは、それに従う大勢の人間なのだ。

しばらくお互いに黙り込んだ後、スネークは椅子に座り直すと、きちんと正面から相棒の顔を見据えた。

「安心しろ。もうそんな所に帰しやしない」

その語尾が、心のこもった優しいものだったので、オタコンは意外な気持ちでスネークを見つめた。
サニーに対しては、あまり表立って好意を表さない彼だが、その実、取っている態度よりも遥かに親身に思っているのだろう。
そう思わせる声と、表情だった。
胸につかえていた氷が、溶けたような気になる。今話していたことが、過去の現実なのだと思い出した。
現在は違う、未来も。

「そうだね、サニーを守らなきゃ」

頷いて、カップを持って立ち上がると、コーヒーサーバーの置いてあるシンク脇に向かった。

「ごめんよ。君のコーヒーだったね」







それからまた月日が経ち、スネークの髪がすっかり白くなると、サニーも少し、女の子らしくなってきた。
ノーマッドの内部には生活感が出て、鶏の鳴き声が響いている。
雷電との連絡は未だにつかない。

兵士だったオルガからは想像もつかない鮮やかさで、サニーは相変わらずいとも簡単に、どこのコンピューターにでもアクセスする。まるで不可能はないようなその様子は、とても小さな少女の業とは思えない。
彼女に技術を教えたオタコンも、相当独特なプログラミングでハッキングをするが、サニーのものは神憑り的と言ってよかった。

普段は所在なさげに佇んでいることが多く、あまり人と目を合わせようともしない彼女は、口数が少なく、話せばつっけんどんな物言いになってしまう。
そんな普段の様子からは一変して、一度パソコンに向かえば、水を得た魚のようだ。

その様子をオタコンは、訳もなくうれしそうに眺めていることが多い。

「まるで自分の小さい頃を見てるみたいだな。こうやっていつも部屋でパソコンにむかってたっけ。まあ僕より断然サニーの方が凄いけど」

集中して作業をしているサニーと画面を見ながら、うっとりと呟く。

「ああほら、彼女の目には、僕らには思いもよらないような世界が映ってるんだよ」

画面を指差され、それはお前の頭の中も一緒だろう、と思ったスネークだったが、隣に立つ男が気分よく話しているので黙っていた。
要するに画面内で何事か起きているらしいが、自分にはさっぱり意味が分からない。別に分かりたくもない。
彼にしてみれば、頭の出来のおかしいのが2人いる、という感覚だった。

流石に某かの作業が完了したらしいのは理解できた。画面が見慣れた情報サイトのような見た目に切り替わる。
サニーはそれを熱心に見始めた。いくつもの画面を同時に開いては閉じ、また開いている。

「いいねえ。これぞ才能だよ。羨ましいなぁ」
「作られた才能だろう」

言ってしまってからスネークは、少々しまったという気になった。
オタコンの表情が曇る。しかしそれは一瞬で、ため息と共に意外な言葉が漏れた。

「人為的に操作された能力だって、欲しいと思う人間はたくさんいるさ。僕だって…」

困ったような、少し恥じ入るような顔で黙り込む。
スネークは内心驚いた。本当に羨ましいと思っているらしい。こんな相棒の様子は初めて見た。

「お前はそれで十分じゃないか。うちで唯一の天然物だしな」
「ちょっと…人を食べ物みたいに言わないでくれよ。それにうちって言ったって3人しかいないし。外に行ったら天然物だらけだろ」
「まあそうだ。だかお前ほど上等な天然物はそういない」

当然という顔でスネークに言われ、反論しようにも何と言っていいか分からず、オタコンは言葉に詰まる。

「しょせん人工物なんて、何らかの問題を抱えてるもんだ。俺なんぞ見てみろ。原材料クローン製法で、サニー共々、人口甘味料が山程使われてるからな。なあ」

サニーに向かって話を振るスネークだが、彼女は画面から視線を離したものの、意味が分からずスネークを見つめかえす。
しかし話しかけられたのが嬉しいのか、照れたように小さく笑った。
スネークはそれで満足なのか、どうだと言わんばかりにオタコンに目を向ける。

「はいはい、そりゃさぞかし甘そうだね。なんだか胸焼けしそう」

二人のちぐはぐな様子を見て、つい笑顔になったオタコンだったが、口調は極めてあきれたように、おどけて話をするのだった。


心の中では祈る。

どうかサニーには、大きな問題が訪れませんように。

どうかスネークの問題が、彼の精神まで、蝕んだりしませんように。



どんな現実の中でも、人は幸せになれるはずだから。










END



サニーは父さん母さんが戦闘員なのに、あんなすごい能力があって、どうしてかな?と思いまして。
お父さんゴルルコ兵の誰かだと思うんです、環境的に。
自閉症というわけでもなさそうだし、ちょっと近い感じは受けるけど、能力を発揮しちゃうほど重度な印象もなくて。
やっぱり行きすぎた英才教育の賜物かな、しかもMGSだから、かなりエグい事とか起きてるんじゃ…とか、そんな。そういう。

ちゃんとスネークさんが本編並の距離感になるように気をつけました(笑)

これはもうお気に入りだったので、数ヵ所文章を直したくらいのアップです。
サニーちゃんラブなのです♪♪
彼女はね、スネークさんがいなくなっても、ずっとオタコンの側にいてくれるからね。
なんて言って、ごく普通に好きですが!
MGRになったら、11歳でシャトルを作っちゃったりして、益々天才に磨きが…(笑)
とはいえ、オタコンの養女になったのでよかったですよ。しあわせ。私が(笑)



 

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テーマ : 二次創作:小説    ジャンル : 小説・文学
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◆プロフィール

輝思回生

Author:輝思回生
MG、特にMGSシリーズをこよなく愛しています。
こそこそしたり、遠くから眠らせたり、後ろから忍び寄って脅してみたり、なんて私にぴったりなゲームなんだ!

とにかくオタコンびいきです。
オタコンならば何でもいいという!(笑)
そしてスネークおじいちゃんのお髭愛も!

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