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溢れるMGS愛:PHILOS-ANTHROPOS

MGS語りや小説、考察?落書きと、愛しかない一風変わったMGS日記(不定期)

 
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Category: ◇スネオタ小説【もくじ】 >  Flucht スロフトゥ -逃走-  

Flucht スロフトゥ -逃走-:スネオタ風MGS小説 (事情によりキスシーン含有)ラブではござらん!

 



肺が破れそうに痛い。
息を切らしながらずっと浅く呼吸をしていて、唾を飲み込もうとするたびに、湿り気を失った喉が張り付くように閉じて吐きそうになる。
そうすると息をしようにもできなくなり十分な酸素は望めず、苦しくて涙が出た。
スネークに引きずられるように夜道を走らされながら、オタコンはこの現状にいたる不備について考えていた。

バンを停めた場所が悪かった。時間帯も悪かった。
でも今回の仕事はとある組織のハッカー「フォーゲル」にスネークが接触して、相手から情報を引き出すのが目的だった。
だから組織の運営するナイトクラブの営業中に内部に入り込んだのは仕方ないことで、その近くにバックアップのためのバンを停めたのも仕方のない事だ。
フォーゲルの気を引き、かつ情報を引き出すか提供してもらうために、相手の手持ちの機器とのやり取り、つまりハッキングに手一杯だったオタコンは、組織が見廻りに飼っているホームレスに、バンが怪しい車両と告げ口されてしまった事への対処が遅れた。
しかし原因はそれだけではなく、女性だったフォーゲルが組織の顔役の愛人だったというのも問題で、彼女と二人でいる現場を押さえられ、ドンパチを繰り広げながらナイトクラブを後にすることになったスネークにも非はある。
相手が美しい女性だったから油断したのだ。
やり取りした情報は、組織のものではなく、フォーゲルが独自に入手していたある国のメタルギア関連のもので、実際にはやましいところはなかった。
だが、男と二人でいたという事実を責められないよう、彼女がスネークに無理矢理部屋に連れ込まれたように振る舞い、結局組織に追われる羽目に陥っていた。
オタコンはすぐさま裏口から飛び出してきたスネークをバンに乗せ、逃走を図ったが、ナンバーも見た目も組織に知られていたので、振り切る事が出来なかった。
仕方なく途中で、気持ちしていた変装を解いたスネークと運転を交代し、入手した情報を取り出して、機材に残った痕跡は破棄した。
バンを地下駐車場に乗り捨て、必要な物の入ったリュックだけを持ち、あちこち経由しながら徒歩で逃げているところだった。

「埒が明かないな」

スネークは通りを窺いながらオタコンを休ませる。相手方は並々ならぬ執拗さで追いかけてきていた。
明らかに、自分達の位置が把握されている。
街の中は組織の庭だろう。素直に道を使っているだけでは逃げ切れない。
隣では体力を使い果たしたオタコンがへたり込んでいた。
何度目かの生理的な嘔吐感、吐き気があるわけではないが、喉がひっくり返るような感じだ。
かろうじて息をしているが喉は切れそうに痛い。酸素が足りずに頭が痺れたようになり、手足の先は感覚がない。
相棒が限界と見たスネークは、その体を担ぐようにして窓のないビルの階段を上り、屋上まで上りきると、リュックの中からロープを出した。
嫌な予感を隠しもしない相手の目の前で、ラペリングロープを両足の付け根と腰に回し、カラビナを掛け、ロープを通し、その先の端を大きな設置看板の足に結び付ける。
十分に強度があるのを引っ張って確認するとオタコンに手をかけた。

「降りるぞ」

オタコンは首を振りながら拒否しようとしたが、喉がカラカラで痛くて声が出ず、そうこうするうちに背中と足をすくい上げられ抱えられてしまった。
そのままスネークは屋上の端に足をかけ、体を建物の外側に仰向けに倒す。ロープがピンと張り、看板の結び目とスネークの腰と足とがいびつな三角形の位置関係になった。
オタコンは、自分の居場所の心もとなさに身震いする。
乗っている体の下には何もない。いや、もっとずっと下にはコンクリートの固い地面がある。
生身の人間がこの高さから打ち付けられたら、肉体が柔らかくて脆い物だということがよく分かるだろう。
ロープが付いているのはスネークだけだ。この腕から浮き上がった拍子に体がずれ落ちたりしたらと思うと恐ろしくなった。
恐怖が顔に出ているオタコンに向かって、スネークは何でもない事のように言う。

「絶対に落とさないから信じろ。しっかり掴まってれば 安心だ」

オタコンは覚悟を決めると、スネークの首に腕を回した。

「手を組め。声は出すなよ」

そう言われ、両手でそれぞれの手首を掴むと、肩口に鼻から下を押し付ける。
息は少し落ち着いてきたが、心臓はまだ踊っていた。それとも地面への恐怖のせいだろうか。変に汗もかいている。

「いいか」
「…うん」

確認が済むと、とたんに浮遊感に包まれる。ロープの擦れる音が響いた。
スネークは角度を壊さないようビルの壁を蹴りながら、速度をつけてロープを滑らせる。
落ちると分かっていたのに降下の瞬間には声が漏れそうになって、オタコンは慌てて頭を肩に押し付け直す。人間は意思に関係なく自然に声が出てしまう時があると、改めて感じた。
スネークが下に降りるたびに体が浮いてヒヤリとしたが、ちょうど腹から膝の上に乗った状態を上手くキープされていて、浮いたり弾んだりする以外は、思いの他安定して相手の上にいる事ができた。
何度目かの浮遊の後、すっかりいつもの目線の景色になる。

「よし、着いたぞ。よく我慢したな」

スネークは地面に降り立つと、片足を壁に引っ掻け、そこにオタコンを座らせたままロープを解く。
オタコンはすぐに降りようとしたが、残念ながら足に力が入らなかった。
カラビナだけポケットに突っ込み、ロープは垂らしたまま放っておいて、膝の上にいた相棒を立たせ、腕から体を持ち上げるように支えながら適当な飲食店に入る。

「す、スネーク?」

困惑した声も客も無視し、店の人間にわめかれながら厨房に入り、ずかずかと通りすぎて裏口から外に出ると、向かっていたのと逆の方向に歩き出した。

「どうするんだよ」
「バンに戻る。こういう時は案外盲点だ」
「それで大丈夫なのかい?」
「行ってみないと分からん」

前だけを見て歩いていると、抱えた隣の体からため息が聞こえた。

「まあ任すよ。ついでにもう歩けそう」

そう言われ、腕を放す。
通りには人影もまばらで、趣味の悪いネオンの出ている店があったり、入り口が地下だったり、オタコンが歩くと浮くだけでなく鴨にされそうな場所だ。
歩いていくと、人を探しているような声が前方から近づいてくるのが聞こえ、スネークは隣にある腕を引っ張り脇道にそれた。
だが道は少し行っただけで行き止まりだった。
一応ダストボックスがあったので開けてみたが、二人で隠れるにはごみが多すぎる。
仕方なく肩にかけていたリュックを放り、上着を脱いで背中の印象を変えると通りに背を向け、オタコンを正面から抱き締めた。

「うえ?スネーク?」

途端にすっとんきょうな声を上げられる。まあそうなるだろう。
一応ベルトに引っ掛けてあった銃を手に持ち、撃てる状態にしておく。

「腕を回せ」
「え」
「腕、背中に」

小声で指示を出すと、目的を理解したオタコンがおずおずと背中に手をやる。

「…こんなの怪しまれないかな」
「お前だったらゲイのカップルに近寄りたいか?」
「いやぁ…見なかった事にするね」

そう言いながら乾いた笑いをするオタコンに、スネークは大真面目に頷いて見せる。

「そういう事だ」
「なるほど」

どうせさっきまで必死にしがみついていたのだ。今更と思いきって背中に手を回すと、よく鍛えられた筋肉の感触があった。
羨ましいやら妬ましいやら、こいつめ、と力を込めてみるが、実際には熱心にハグしている状態にしかならない。
頭を肩に乗せ、顔が見えないように窺っていると、通りの方から男二人が向かって来るのが見えた。
手にはサプレッサー付きの拳銃とサブマシンガン。随分と過激だ。

「…スネークやばい、こっちに来るよ」
「笑って眼鏡を外せ」
「え?」

何を言われたのか分からず聞き返すと、眼鏡を取り上げられ、顎を掴まれ顔を相手に向かされる。

「笑え。こっちを見ろ、ホラ」
「あ、うん?はい」

とりあえず普通に笑いかけると、頭を掴まれ引き寄せられた。

「恨むなよ」
「へっ?」

あっと思った時には唇を柔らかい感触に包まれていた。それを左右に動かされ、合わさりを深くされ、吸われる。
驚いて頭を引こうとしたが、後頭部をしっかり掴まれていて動かない。目の端に男二人が立ち止まるのが見え、仕方なく力を抜いた。
オタコンの力が抜けたので理解が得られたと考えたスネークは、舌を歯の間から侵入させ、引っ込んだ相手のものを絡め取り、なるべく煽るように、乱暴に口づけた。
絡ませた舌を限界まで吸い上げると、鼻から抜ける声が、うまい具合に路地裏に響く。
それを聞いて抱いた体が強張ったが、構わず腰を抱え込み、唇を深く合わせているのが通り側によく分かるように、しかし自分の顔は見えないように角度を調節する。
近くまで足音が聞こえ、止まったのを確認し、派手に音を立てて唇を離し、男達には聞こえないように息ともつかぬ声で囁く。

「オタコン、腕」
「…え?」
「腕」

声はちょうど興奮した時のような印象になり、相手の息も上がっているので雰囲気は出せた。
片手ですっかり力を失って落ちていた腕を上げさせ首に持ってくる。
もう一度大袈裟に口を広げさせて、舌を奥まで突っ込み絡めて混ぜ、唾液と一緒に吸出した。
すると先程よりもはっきりと普通でない声が聞こえ、鼻から漏れる息とで、すっかり事情の下準備といった風情のキスシーンになる。
この際だからなるべく卑猥な音が立つように、吸いながら頭ごと唇を動かし、相手の舌と口内を攻めた。

しばらく続けると、ボソボソという話し声とともに足音が遠ざかって行く。
唇を離すと、オタコンは盛大に空気を吸い込み荒い息を繰り返しながら、目の前の肩に頭を乗せた。

「行ったか?」
「え…、あ、うん」

渡された眼鏡をかけ、通りの方を見やり人のいないのを確認すると、拘束が解かれ自由になる。
やや足元が心もとない。
スネークは銃をズボンの背中に入れ、上着を羽織り直すとリュックを拾い、肩にかけた。

「じゃ、行くぞ。今のうちだ」
「うん」

後について歩くが、やはり足が思うように動かずスネークに腕の付け根を掴まれる。

「オイ、大丈夫か」
「ご、ごめん。大丈夫だけど」

恥ずかしいとかいうよりも、経験した事もないようなキスだったので、体の方がびっくりしている、そんな感じだ。もちろん恥ずかしいのだが。
昔事情の時にしたものすら、こんなに激しくはなかった。

「それにしたって、必要に駆られたのは分かるんだけどさ、こんなスゴいのすることなかったって思わないかな」
「こんなの普通だろう」

しれっと言ってのけるスネークに、この男の基準は一体どうなってるんだ、という気になる。

「そうかなー、いやあそこまではソファーかベッドで準備万端じゃなきゃしないと思う」

実際のところはスネークも、予定以上に念入りに唇を合わせたという自覚はあったのだが、やってしまったものは仕方がないし、今更どうこう言う意味がない。
同意の上だ。内容が予定外でも。

「…お前の文化圏ではそういう事になってるんだな。覚えておこう」
「いや、覚えてても役に立たないから忘れてくれていいよ」

呆れたように言われ、苦笑する。

「確かに」
「とりあえず僕も君の文化圏に関しては口出さないようにしとくからさ」
「俺の所は普通だろ」
「だから君ね…それ、そういうの痛い目見るよ?」

いつもの調子が戻ってくると、お互いに前だけを見て、なるべく何でもない事のように話をした。
気まずい訳ではないが、妙な空気感だ。
スネークはこんな時の常で、考えるのをよす。
オタコンは、とんだ作戦になったとか、バンに戻ったらパソコンがあるから、すぐにもらった情報の暗号解読をしてしまおうとか、とにかく関係ない事をたくさん考えた。
そうしていないとどうしても、先程の生々しい感覚が蘇ってきてしまう。

何というかスネークは、やはりとんでもなくキスが上手かった。








Flucht -逃走-NEXT につづく

 

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テーマ : 二次創作:小説    ジャンル : 小説・文学
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◆プロフィール

輝思回生

Author:輝思回生
MG、特にMGSシリーズをこよなく愛しています。
こそこそしたり、遠くから眠らせたり、後ろから忍び寄って脅してみたり、なんて私にぴったりなゲームなんだ!

とにかくオタコンびいきです。
オタコンならば何でもいいという!(笑)
そしてスネークおじいちゃんのお髭愛も!

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