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溢れるMGS愛:PHILOS-ANTHROPOS

MGS語りや小説、考察?落書きと、愛しかない一風変わったMGS日記(不定期)

 
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Category: 短編小説【もくじ】 >  Flucht スロフトゥ -逃走-NEXT  

Flucht -逃走-NEXT:MGS小説(ほんのりスネオタ風味)せっかくだからカーチェイスとか!


※内容的にはFlucht-2ですが、1は事故的にキスシーンが含まれるのでスネオタへ。







ある国のメタルギアの情報を引き出すはずのハッカー、フォーゲルが、実は女性で所属する組織の顔役の愛人だった。
そのためスネークが間男と勘違いされ、追われる身となった今回の仕事だが、目的の情報は入手できている。
情報自体は暗号になっているが、解析はオタコンにかかれば時間の問題だ。
後はこの異国の過激な組織から、命のあるまま逃げ切れば作戦は完了だった。

スネークは足元のおぼつかないオタコンを、やはり引きずるように地下駐車場まで戻った。
バンは乗り捨てた時のまま変わらずにそこにあり、組織の人間は見当たらない。

「僕、暗号の解析やっちゃうから、運転頼める?」
「酔わないか」
「酔ったら休むし大丈夫」

オタコンは少し前の出来事を思い出さないためにも、とにかく頭を使っていたくて、中に残してあったノートパソコンを手に取り、助手席に乗り込んだ。
追っ手を撒くためとはいえ、スネークに自分を相手に激しいキスシーンを演じられ、しかも足にきていて複雑な気持ちだ。
上手い人間というのは、気持ちや欲と関係なく快感を引き出せるのだと初めて知って、いわゆるカルチャーショックを受けていた。
これでは女性が彼とコンビを組むなんて事は不可能じゃないだろうか。
自分が男で助かった、とつくづく思う。

オタコンのそんな情況を知ってか知らずか、スネークはいつもと変わらぬ様子で運転席に乗り込み、キーを差し込んでエンジンをかける。
恐らく組織の連中は見当違いの方角を探しているだろうが、いつこちらに戻ってくるか分からない。
早々に街から離れる必要があった。

何事もなく地下駐車場を抜け出し、元のナイトクラブから逃げたのと逆方向に車を走らせる。アウトバーンまで出てしまえば逃げ切れるだろう。
しばらく順調に走っていたが、街を抜けようかという十字路に差し掛かると、目前に車が整列し、道を塞いでいるのが見えてきた。
アサルトライフルがこちらを向いている。
すぐにハンドルを切り、バンを手前の脇道に入れると、整列していた車がこぞって後を追ってきた。
急に車体がカーブし窓に押し付けられ、オタコンが抗議の声を上げる。

「ちょっと!頼むよ今こっち取り込み中なんだから」
「悪いがこっちも取り込み中だ」
「え?」

驚いてパソコンから顔を上げると、サイドミラーに後方から追いかけてくる車と、窓から飛び出しているアサルトライフルが映っているのが見えた。

「うわしつこいなぁ。実は君、彼女に手ぇ出しちゃったんじゃないの?」
「そんな必要があるか考えてみろ」
「分からないよ、君の文化圏だからね」
「…」

軽口を叩いていると、銃声とともにバンに穴の開く音がする。
スネークは首をすくめるオタコンの頭に手をやり、姿勢を低くするように下げさせた。

「レンタカーじゃなくてよかったね」
「確かにな」

銃撃を受けても会話だけはのんきに、しかし被弾を最小限にするため車両は左右に大きく蛇行させながら進む。
バンは現地調達で中古で安く買ったもので、最終的には破棄しても構わない。
だが今は逃げる足として必要だ。

「ハンドルを頼む」

言うだけ言ってハンドルから手を離したスネークは、ズボンの背中から銃を取り出し窓を開けて狙いをつける。

「あぶないな!」

オタコンは蛇行しながら離されたハンドルを掴み、脇の建物に突っ込みそうになるのをかろうじて回避した。

「合図したらまっすぐに走れ」
「そんなに道続いてないよ」
「よし、いいか、3、2、1」

有無を言わさず合図を出され、とにかくまっすぐにバンを走らせると、銃を連射される中車体に腕を寄せ、窓から覗くように銃を構えたスネークが、その引き金を連続で引いた。数発、運転席からの銃声。
後方の車のタイヤが破れて剥がれ、金属がむき出しになり走行のバランスが崩れる。
するとその後ろにいた車両が追突し、数台が玉突きを起こして足止めになった。
それでも撃ってくる弾は止まない。
すぐに正面に建物が迫り、オタコンは慌ててハンドルを切る。左右の道の確認をしている余裕がない。
何しろスネークはアクセルを踏みきっていて、古いバンとはいえ相当のスピードが出ていた。
突き当たりを曲がると、後方から爆発音が聞こえ、光に照らされる。角の向こうで車の燃料に引火したらしい。
座席に戻り、ハンドルを握り直すスネークに、オタコンはホッとして手を離した。
助手席に体を収め、サイドミラーを確認するが、後方に車は来ない。

「にしても、ここまで狙われるって普通じゃないよ」
「男の嫉妬は怖いな」
「ほんとに何にもしなかったのかい?」
「くどい」

話していると前方の脇道から車が現れた。スネークはバンを大きく建物すれすれに迂回させ、それをやり過ごす。

「じゃあもしかしてこっちの情報に何か混じってるのかな…」

勢いで運転席側に体を倒されながら、オタコンはパソコンに向かい思案顔だ。
スネークはこういう時、気になる事があると周りが見えなくなる相棒の性分に感謝したい気分になる。
命の危機に気付いていないだけだとしても、実に頼もしい。
また後方からの銃撃が始まり、数ヵ所、車体に穴が開いた。

「埒が明かないな」

何とかしなくてはならないが、目下の問題は後方の車両達だ。

「オタコン、運転代われ」
「どうやって?」

追っ手の手前、スピードは落とせない。
この走行速度で何をどうしろと言うのか相手を見ると、スネークは座席を倒し、体の前面にスペースを作る。

「まずハンドルだ」

言われてハンドルを握ると手が離され、正面を確認していると、今度は相手の体が背もたれの方に倒れる。
オタコンは合点がいったようにその前、スネークの膝の間に割り込み、足でアクセルを踏んでいる足を探した。

「これがそう?」
「そうそれだ、いいか離すぞ」
「いいよ」

スネークに変わってアクセルを踏み込む。
車は一瞬減速しそうに息を付いたが、すぐまた元の速度をキープした。
スネークは倒した座席を後ろにずり下がり、バンの後方に移動する。
荷物の中から狙撃銃を選び、ついでに火薬の量を減らしてあるグレネードを手に取った。
狙撃の位置取りを決め、バンの背面、両開きのドアの片方を薄く開けると、グレネードのピンを外し、数を数えてからギリギリ隙間に落とす。
爆発音がしたらドアを開け、狙撃銃を構える。グレネードは上手い具合に、先頭の車両の足にダメージを与えていた。
その脇、スペースの広い方から後部車両が出てくるのを待ち、出てきた瞬間を狙ってタイヤを撃つ。
被弾したタイヤは車をスピンさせ、建物に突っ込ませる。それに構わず更に後方の車両を狙い、追っ手の機動力を奪っていく。
運転するオタコンの耳に、狙撃銃にしては軽快な銃声が響き、車の追突音が立て続けに聞こえる。
やがてそれらが収まると、背後からスネークの声がした。

「どれでもいいから狭い脇道に入れ」
「オーケイ」

言われてなるべく狭そうな道を選び、バンを入れる。
車一台通るのがやっとといった路地をしばらく行くと、また声をかけられた。

「停めろ」
「停めるの?」

言われて速度を落とすと、スネークは後ろのドアから降りたのか前方に回って、頑健そうな建物を選び、ライトの明かりを頼りに何かを設置している。
プラスチック爆弾のようだ。
幾つか間を置いて仕掛けると、運転席に戻ってきてドアを開けた。

「よし、代われ」
「はいはい」

オタコンが助手席にずれると、乗り込んだスネークは座席を戻し、窓から腕と頭を出して後ろを窺いながら、車をバックで走らせ始める。
バックのわりにアクセル全開で、オタコンも思わず進行方向を確認してしまう。
しかしバンは後ろ向きにスムーズに路地から出ると、先程向かっていた方向に向かい、今度は正面向きで走り出す。
離れた場所まで走ると、前よりも細い路地に無理矢理バンを進入させ、行き止まった場所でエンジンを切り、ライトも消す。
辺りに静けさがやってきた。

「解析やっちゃっていいかな?」

オタコンは声を潜めて隣に聞く。

「光が漏れる」
「後ろに毛布あるだろ?被ってやるから」

そう言われ、スネークは後部にあった毛布を取り、広げて座席からオタコンに被せた。
ノートパソコンが開いたらしくほんの微かにシルエットが明るくなり、前の方に四角い突起が現れる。
まるで子供が見たら喜びそうな、チープなお化けのような見た目だ。

「光、漏れてない?」
「ああ、まあ大丈夫な範囲だろう」

返事をすると、後はひたすら細かくキーボードを打つ音だけがしてくる。音だけ聞いていると、キーボードを打っているとは思えない。
まるで妙な音をさせるお化けと、肩を並べて座っているようだ。でなければ宇宙人とか。
窓を開け、煙草を出して火を点ける。
ゆっくり一本吸う間待つと、時計を見て声をかけた。
起爆装置のタイマーが0になる頃合いだ。

「オタコン、そろそろだ」
「ん、もうちょい…」

待てと言われても爆発は起こるがな、と思っていると、来た道の方角から大きな音が響いた。
立て続けにもう二発、敵を殲滅するならもっと間を置くが、陽動が目的なので被害を出さないように気を遣った。
待っていると車両音が後方を横切っていくのが聞こえる。何台かやり過ごし、静かになったのを確認すると、エンジンをかけた。
オタコンは集中しているようなので放っておき、車をバックで発信させ、通りに出ると、進行方向にむかってアクセルを踏み込む。
街の外れのアウトバーンの入り口にも、組織の車は見当たらなかった。
円になった道をぐるっと回り、速度を保ったまま高速入りして走り続ける。

街から大分遠ざかり、もう追っ手は来ないだろうと速度をやや下げると、オタコンがもぞもぞと毛布から顔を出した。

「分かったよスネーク、これ、暗号の解き方によっては奴らの組織の情報になるみたいだ」
「結局追われた原因はそれか」
「みたいだね。内容はまだ見てみないと分からないけど」
「大方裏金がどうのだろう。何だってそんな物を持たされたんだか」
「ほんとに」

やっとこさ人間に戻り、苦労しながら毛布を後ろにやって、前に向き直る。
前方の空は微かに白んできていた。

「ともかく、これのお陰でひどい目にあったよ」
「だから俺は潔白だと言ったんだ」
「あ、そう。でもこういうの日頃の行いだから。だろ?」

渋い顔をする相手にオタコンは笑い、ふたたびノートパソコンに向かって作業を始めた。
単純な作業になると、うっかり溜め息が出る。

「そうだよ、まさか君とキスする仲になるとはね」
「妙な言い回しはよせ」

気が抜けたからか、考えないようにしていた件が口から漏れて、運転席からスネークのバツの悪そうな声が聞こえた。
自分がこんな話題に触れるとは思わなかったオタコンは、すぐに誤魔化すように笑う。

「はは、いやまあ、やっぱり女性にされるのとは違うなぁ、と…」
「されるばっかりか?」
「察してくれよ、そこは」

何だか情けない会話になったなぁと思っていると、軽く鼻を鳴らしたスネークが、調子が出てきたのか構ってくる。

「練習台だと思えばいい。何ならまた付き合ってやるぞ?」
「いや結構」

即座に断りはしたが、自分にはとてもあの感じは無理だと思うと、考えようによってはさっきのも、いい経験になったかもしれない。

「まぁ確かに、次に女の子とする機会があったら役に立ちそうだよね」
「光栄だな」

すっかりいつもの人の悪い笑みになった相棒に目をやり、もう一度溜め息をつく。

「とてもそんな機会ないだろうけど」

万が一あったとしても、できるかどうかはまた別の話だ。
しつこく溜め息をつくオタコンを横目に、スネークは気分よく車の速度を上げた。

これから夜明けだ。
朝日に向かってアウトバーンを飛ばすのも、きっと気持ちがいいに違いない。









END

 

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テーマ : 二次創作:小説    ジャンル : 小説・文学
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◆プロフィール

輝思回生

Author:輝思回生
MG、特にMGSシリーズをこよなく愛しています。
こそこそしたり、遠くから眠らせたり、後ろから忍び寄って脅してみたり、なんて私にぴったりなゲームなんだ!

とにかくオタコンびいきです。
オタコンならば何でもいいという!(笑)
そしてスネークおじいちゃんのお髭愛も!

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