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溢れるMGS愛:PHILOS-ANTHROPOS

MGS語りや小説、考察?落書きと、愛しかない一風変わったMGS日記(不定期)

 
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Category: ◇スネオタ小説【もくじ】 >  盲目は愛の特権  

盲目は愛の特権:スネオタ小説。おでこにチューするよ!

 



スネークは大体にして、デジタル化された物をあまり好まない。
パソコンだって扱えはするし、オタコンとしては、必要ならスネーク用に何か端末でも用意するのにと考えていたが、嫌がられそうで止めてある。
それに買っても使われない気がしていた。
そんな理由から、作戦やら何かの打ち合わせに使うデータは、全て紙媒体になっている。
どのみち後で破棄するのに、プリントアウトして、揃えて纏めて書類に仕上げるのは、はっきり言って手間だった。

しかしそれはそれ、スネークがその方がいいと言うなら、面倒も惜しまずせっせと読みやすいように書式を作り、勿体ぶった資料を作成するのがオタコンという人物だ。
プリンターからひとしきり吐き出されたA4サイズの紙を、順番通りか確認し、開くタイプのクリアファイルに挟んでプラスチックの留め具で綴じる。
いかにも読み物然とした見た目に満足すると、画像を見せるのにノートパソコンも持ってダイニングキッチンに向かった。
すると廊下まで煙草の匂いがしてきていて、自然と眉が寄るのを感じる。

「スネーク、煙草吸うなら換気扇回してくれよ」

入口から声をかけると、中の人物は買い出しにでも行ったのか、いつもと違う薄手のニットセーターにスラックスという出で立ちで、紙袋の中身を冷蔵庫に収めていた。
振り返った唇には煙草がくわえられている。
突然やってきた相棒の姿を見て、スネークはしまった、という渋い顔になった。
すぐに煙草をつまんで口から離し、立ち上がると、思わず灰皿と煙草の火をを見つめる。
吸い始めたばかりだ、ここで消してしまうのは惜しい。

「吸ってもいいから換気扇」

そんな様子を見ていて、多少気の毒になったオタコンが助け船を出す。
ただちに無言で素早く換気扇が回され、匂いが薄らいだところに入っていった。
また冷蔵庫と向き合い始めようとする相手に向かって椅子の背をポンポンと叩く。

「スネーク」

それを見たスネークは、一連のやり取りから立場が弱くなったからか、黙って大人しくその椅子に腰かけた。
といっても見た目には随分と大儀そうで、ふてぶてしい態度だ。隣で見ている相棒にだけは、彼が恐縮していると分かっていた。

「別に怒ってないからね。これはい、今回の仕事の資料」

目の前にクリアファイルが表紙の書類を出され、スネークはオタコンに目をやりつつそれを手に取る。
多分本当に怒っていないか確認されたのだと思い、オタコンはなるべく陽気な笑顔で視線を受けた。
それは実際にその通りで、スネークはその笑顔を見て安心すると、手元のファイルに視線を戻し、しげしげと眺める。
今までで恐らく一番かしこまった見た目の書類だ。

「随分と仰々しい資料だな」
「ああこれ?だって君すぐにしわくちゃにするから」
「…それは悪かった」

一見不機嫌そうにしおらしく謝罪し、資料に目を通し始める。

「そんなのいいけどさ。こういうの気持ちも引き締まるかと思って。いいだろ?君もつつしんで読んでくれていいよ」

きっと今スネークは一瞬だけ悪いなと感じたに違いないと思い、オタコンはにこにことフォローを入れた。
近頃は大好きな相棒の心情が、以前に比べて格段に読み取れるようになってきている。
不思議なもので、相手が自分を好きなんだと認めてしまえると、それまでは理解できなかったような行動も、何となく理由が分かるような気がするのだった。
たとえ誤解だったとしてもいいかな、と思う。
それを前提に行動して、上手くいくときもあれば、そうじゃない時もある、それでいいかな、と思っていた。

「では謹んで拝読しよう」

スネークは灰皿に煙草の灰を落とすとくわえ直した。
居住まいを正し、テーブルに向かって両手できちんと資料を持ち、真剣な顔で読み始める。
こんな時くらいは相棒の労力にささやかな敬意を払う姿勢だ。もちろん姿勢だけなのだが。

その取り澄ました横顔を見下ろして、オタコンは何だか無性にその姿が愛しくなってくる。
まるで大人の真似をして小難しい顔で、大好きな図鑑でも眺めている子供みたいに見えたからだ。
抱き締めたいとか、キスしたいだとか、そんな想いを胸に、自分の作った資料をちゃんと読む相棒、を見つめる。
どこからどう見ても自分より年のいった、彫りは深いがやや強面の、体格のいい男性だった。
それなのに時々、この男の取る行動が、小さな少年か少女のように感じる時がある。
少女というのは流石に変な気がするのだが、小さい頃の女の子に独特の、潔癖さのようなものを彼は持っていて、それが顔を出す瞬間が稀にあった。
それから今のように予期せず表れる、一見しただけでは分からない無邪気な態度。
これが判別できるのは、今は自分だけなんじゃないかとオタコンは思っていて、それを発見した時、居ても立ってもいられない気持ちになるのだ。

「君ってほんとにかわいいねぇ」

しみじみ呟かれ、頭を撫でられ、スネークは何事かと思い、顔を上げる。
細い指が髪の上を滑るのは心地よかったが、言われた内容は微妙な気持ちになるものだった。

「…お前大丈夫か?」
「え、なにが?」
「目か何か病んでるんじゃないかと思ってな」

訝しげな様子で心配され、オタコンは意外な顔をした。

「君がかわいいって評価になったのって、過去に僕だけかい?もっといると思うけど」
「病んでる人工率の話か」
「病んでるって」

思わず笑ってしまう。

「君は時々ちっちゃな男の子かなにかみたいだよ。そこがかわいい」

幸せそうな笑顔を向けられ、スネークは不思議な気持ちで相手を見つめる。
過去にもう一人だけ、自分をかわいいと言った女性がいた。
メリルだ。
そしてやはり彼女にも、似たような内容の話をされ、当惑させられた。
あの頃は、本当にどういう訳でそんな話をされるのかさっぱり分からなかった。
今から考えると、それはいつでも自分の気持ちに素直に行動している時の出来事だったように思う。

彼女の前では、自分は多分、何かしら虚勢を張っていた。彼女に限らず女性の前では、それどころか誰の前でもそうだった。
訳も分からず、何かに負けないように、気持ちを張り詰めさせていた、常に。
それがどうだろう、この相棒の前では、なぜだか一人でいる時と変わらない、気の抜けた状態でいることが多い。
そしてそれが嫌ではない自分がいる、説明のできない感覚だった。ずっとできない。

「お前は変わってるからな」

そう言ってしまうと、今度はオタコンが不思議そうな顔で首をかしげる。
スネークはそれに、いつもの人間相手の顔になって笑いかけた。

「俺がいいなんてのは変わってる証拠だ」

人を食ったような笑いを向けられ、オタコンは顔を赤らめる。臆面もなく言われると、やっぱり照れた。
何と言ったらいいのか分からなくなり、相手の頭から手をどける。

こういう時のオタコンの顔を、スネークは気に入っていた。
かわいいなどと口に出すわりに、関係を匂わせる話になると、やけに奥手な反応を見せたりする。よく分からない基準の反応が飽きなかった。
そしてそんな風に思っている自分に驚く。
今まで誰にも場所を明かした事すらない、このセーフハウスに招き入れた。その事実からして驚きだったが、意外にも相手はこの場所によく馴染んでいる。
初めは犬みたいなものだからかと思っていたが、それが今では欲望の対象にまでなったのだから、自分も相当変わっているのだろう。

「犬かと思ってたが、違ったようだ」
「君ね…犬とデキてたら変態だよ」

更に赤くなって視線を外すオタコンを眺める。耳にもうっすら朱が入って綺麗な色だった。
多分食べたら甘いだろう、そんな色だ。

「お前こそ、時々若い娘さんのように可憐だぞ」
「は?」

素直に思った事を述べると、相手は素っ頓狂な声を上げ、視線を戻してきた。
何とも言えない絶妙な表情をしているのがいい。楽しい気持ちだった。
よく見ればいい年をした、特別どうという事もない痩せた男の顔だ。
しかし、ちらほらと見える無精髭に囲まれた薄い唇は、どういう訳か耳より美味そうに見える。

「病んでるのは俺の方だったか」

スネークはつい緩む口から煙草をそっと取り、灰を落とさないように灰皿に持っていくと軽く弾いた。
吸える長さを確認し、またくわえる。
そうして後はもう、妙な気を起こす前に資料に集中する事にした。

「なんだよ、病人ばっかり?」
「ああ」

途端に受け答えが生返事になる。オタコンにもすぐに分かった。
元通りに姿勢を正し、頭を傾けて書類に目を通すスネークは、見た目の男前さに反してやっぱりかわいらしい。
いつから自分のヒーローだった目の前の男を、こんな風にかわいいなんて思えるようになったんだろう、よく覚えていない。
そのくらい、初めは些細な事だったんだろう。
愛しいと思った最初は、きっと初めての仕事の時だ。低体温症にかかり、弱って震えていた、あの時のスネークが、今でも一番かわいく思える。
自分が守るのだ、そう思い、彼がまるで肉親のように感じた。
あの時から、何かが変わり始めたのかもしれない。それまでの好意から、もっと踏み込んだ好意へと。

人を好きになるっていうのが、今の自分の気持ちみたいな事なのか、正確には分からない。
スネークが自分を好きでいてくれる気持ちは、自分のとは違うとも分かる。
でもそれでいい。
自分たちは多分、今の関係になったように、これからもなんとなく、変わったり変わらなかったりするのだ。

スネークを脇から見ていたら、様々な想いが湧いてきて、資料に夢中でいられるのが、何だか寂しい気になる。
オタコンはむずむずとした、かまいたい気持ちに素直に声をかけた。

「スネーク、邪魔してもいいかい?」

それから、何かと顔を上げた相手の額に、いかにも大切な人にするように、キスを送った。












END

このあとスネークは火のついた煙草を取り落とし、仕事の打ち合わせは別のセッションに変わり、オタコンは大変後悔する事になるのだが、それはまた別のおはなし。

元になった落書き(カラー)→

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テーマ : 二次創作(BL)    ジャンル : 小説・文学
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◆プロフィール

輝思回生

Author:輝思回生
MG、特にMGSシリーズをこよなく愛しています。
こそこそしたり、遠くから眠らせたり、後ろから忍び寄って脅してみたり、なんて私にぴったりなゲームなんだ!

とにかくオタコンびいきです。
オタコンならば何でもいいという!(笑)
そしてスネークおじいちゃんのお髭愛も!

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