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溢れるMGS愛:PHILOS-ANTHROPOS

MGS語りや小説、考察?落書きと、愛しかない一風変わったMGS日記(不定期)

 
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Category: 短編小説【もくじ】 >  淑女のパーティー  

淑女のパーティー:MGS小説。とはいえMGSの女性キャラはメイ・リンのみですが(笑)

 



人生のうちで、女性に下着をねだられる瞬間なんてものは、皆無に近いと言っていいと思う。
今日はそんな、貴重な場面に出くわした話をしようかな。
もちろん、僕がじゃない、僕は巻き添えだ。




あれは、スネークをアラスカから引っ張り出してきてからしばらく後の、いつだったか。
場所は昼下がりのカフェだった。カフェといっても、照明はやや暗めで、お酒も飲めちゃうカフェバー的な場所だ。
木目調のカウンターは古風な作りのわりに、カラオケがあったり、ネオンやミラーボールがついていたりと面白い雰囲気で、メイ・リンのお気に入り。それでいつも待ち合わせに使っていた。
当時はまだ、お尋ね者としての知名度やあれこれの手間や労力より、女の子のご機嫌の方が、僕らにとって重要だったから。

フィランソロピーのNGO登録について打ち合わせるために、その頃彼女とは、けっこう頻繁に顔を合わせていた。
普段の連絡は今と一緒で、暗号化したメールが殆ど、でも事務所の場所だとか、そういった書類上だけじゃない決定事項に、彼女の社効力は大いに役立った。
思えばNGO以前、NPOの立ち上げの頃から、メイ・リンは嫌な顔一つしないで時間を作ってくれ、とてもよく貢献してくれていた。今でも感謝している。
彼女のポニーテールにした黒髪や、すっと伸びた細い首、日に透けると紅茶色に光る綺麗な瞳を眺めるのは、僕らの大きな楽しみのひとつだった。




その日お店に行くと、昼間っから女性の華やかな集団が、賑やかに飲んで歌っていた。
お酒ですっかり出来上がっている美女が、カラオケとその周辺を占拠してる様は、強烈な印象だったからよく覚えている。
驚いてドアの前で立ち止まった僕の脇から、スネークは何でもないように店に入ると、入口の見える角の席に座って煙草を出した。
それで僕も、気を取り直して向かいに腰かけた。
彼が店内を見渡せるように壁際に座ってくれるおかげで、僕は他の客と目を合わせずに済む。全ていつも通り、そこまではよかった。

けれども次の瞬間、肩もあらわな若い女性達が押し寄せてきて、あっという間にテーブルと僕らを囲んだ。
ちょっと強面とはいえ、逞しくて男前なスネークが、彼女達の目を引いたのだろう。

「ハァイ、ここいいかしら?」
「もうすぐ花嫁になる女性からのオゴリはいかが?」
「独身さよならパーティーなの~!」
「で、課題の真っ最中なんだけど、協力してくれない?」

金髪にブルネットに赤毛、総勢6名ほどの美しき酔っ払いが、口々に挨拶をしながら二人掛けの椅子に詰めて座り、もしくはしゃがんでテーブルから顔を覗かせる。
僕の人生の生活圏内で、女性の人口密度が一番高かった瞬間と言っていい。
お目当てが自分じゃないと分かっていても、そもそも肩が触れる位置に異性の素肌があることがまず珍しいんだ、それだけで気持ちが浮足立って、ドキドキだった。
目の前では標的であるスネークがくつろいだ顔で煙草を片手にグラスを受け取っている。

「誰が花嫁になるんだ?」
「あたしよ、アリソン」

アリソンと名乗ったのは、薄茶色の瞳の金髪美人だった。くっきりとした目鼻立ちで、眠そうにも見える厚い二重に長い睫、ダークブロンドの髪は緩くカールして、ゴージャスに肩からこぼれている。
鎖骨が綺麗で肌が白く、純白のウェディングドレスがさぞかし似合いそうだ。
他の連れ立った友人達も名乗っていたけど、さすがに全員の名前は覚えられなかった。
主役の隣でスネークは、お祝いにグラスを持ち上げる。

「そうか、じゃあ独身最後の昼に」
「独身よ、さようなら~っ」
「おめでと~!」
「かんぱーい!」
「か、かんぱ~い…」

口々に乾杯を宣言する女性の1人にグラスを渡されたので、僕も一緒になって乾杯した。花嫁になるという見知らぬ女性が気分よく酔って笑っているのが、居合わせただけなのに何だか嬉しかった。
誰だか知らなくてたって、結婚はおめでたい。
ついでに店の無関係な人たちも、声を揃えて乾杯してくれる。グラスの中身は強いアルコールみたいで、口に含むとハッカの香りがした。

「その、ずっとここでパーティーしてるのかい?」
「朝から2件目よ。この店では4回目の乾杯」

聞いてみると、アリソンが声を立てて笑いながら、カウンターと客にグラスを上げて見せる。
ここで1番初めの犠牲者、もとい幸運な選ばれし勇者は、店で唯一のハンサムなウェイターだろう。視線を向けると、苦笑して肩をすくめていた。
従業員はあとはみんな女性で、その様子を面白がって笑っている。
スネークも同じようにカウンターに目をやり、それから彼にしては盛大に呆れた顔になった。とはいえ他の人では気付かない程度の、小さな変化だったけど。

「これはあれか、客が来る度にその課題とやらをねだってるのか?」
「それは来る客によるわ。ねぇ?」
「ね~!」
「誰でもいいってわけじゃないのよ、ある程度は若くなきゃ。あとは好みね」

独身を惜しむパーティーなのだから、やっぱりお相手は若い男性じゃなきゃっていう事なのだろう。スネークは、若いという単語に微かに反応して、気分良さそうに眉を持ち上げている。
普段はもう現役引退だとか言っているくせに、本心じゃないのかも。

女の子達はどんどんお酒を注いでくれるし、目の前ではまるっきり連れ込んだ風情で、美女をはべらせたおっさんが酒を呷っている。
とにかく何か話すたびに笑い声が飛び交った。すごく賑やかだ。すっごく。
お店に漂う、幸福と陽気の入り混じった連帯感。
それはとても心地いいものだったけど、同時にメイ・リンの事が気になった。待ち合わせにやって来たら、相手が女性達とよろしくやっていたなんて、あまり歓迎されるシュチュエーションとは思えない。
連絡して場所を変えた方がいいかもしれない、そんな風に考えていると、頼もしき相棒が本題を切り出してくれた。

「それで、課題っていうのは何だ」
「ああそれなんだけど…、あなたのパンツ、もらえない?」

パ?
おかしいな、今パンツって聞こえた気がする。
一瞬何を言っているのか分からなくて固まった僕の目の前で、スネークはいち早く硬直から脱して口を開いた。
顔は固まったまま、でも傍目には、動揺したようには全く見えない。

「……パンツというと、ズボンの下に身に着けているアレのことか」
「うん、ええそう」
「直接穿いてるやつのことか?」
「そう、それよ」
「大事なところに」
「まさにそれ」
「あっは!やだなにこのひとすっごい確認してる!!」
「パンツっていったらそれしかないでしょ!?」
「そおよお~、パーッと脱いじゃえ~!」

無表情でパンツの詳細を説明する強面の二枚目と、やけに色っぽくしかめっ面を作ってみせる金髪美人。
ついでにその脇で笑い転げる女友達の面々。

「あっちのハンサムはくれたわ」

そう言ってアリソンが手を振った先で、ウェイターが愛想よく力こぶを作るフリをすると、本日4度目の見世物とあって、店内にもどっと笑いが起こっている。
そりゃもうすっごく賑やかだ。ものすっごく。

「10枚まであと3枚なの。ね、お願い」

内緒話をするように近い距離で頼まれても、スネークの表情は変わらない。僕ならきっと頭に血がのぼって、考える間もなく即オーケーしていそうな感じだ。
さすが、伝説の男ともなると違うもんだよね。そんな風に感心していたら、彼は一通り考えた様子で一言口にした。

「…、まぁいいだろう」
「へ!?」

予想外の返答にグラスを取り落としそうになりながら声を上げると、視線の先の相棒は平然とこちらを向いて、信じられない台詞を追加した。

「こいつのも必要そうなら、殴って脱がしてもいい」
「は?ええちょっ、きみそれ本気!?」
「ああ良かったな、自分から脱ぐそうだ」
「あらほんと?」
「やったぁ~!」

彼がしれっと言ってのけると、すっかり乗り気な女性陣の視線が集まる。
こんな注目のされ方ってあるかい、考えた末にオーケーするって何なんだよ、その神経は何なんだってば。
もう何だか、頬は熱くなるし耳の後ろが脈打って、顔から火が出そうだ。

「スネ…!いや、あの、いやあのねぇ」

思わず名前を呼びそうになって睨まれ、視線をさまよわせると、アリソンが今度は僕にウインクして、魅力的に笑って見せた。意味とか訳とかはともかく、見とれてしまうような笑顔だ。

「お願い。1枚でいいの」
「わ、わぁ、ええと1枚以上はどうやっても無理だしね…はは。そそりゃもうすごく光栄だし、役に立ちたいって気持ちは勿論あるよ、あるけど」
「じゃ決まりだな」

自分でも何を言っているのかよく分からなくなりながら答えていたら、急にスネークが立ち上がって、正面から僕のパーカーを掴んで引っ張り上げた。ちょうど猫の首を持ち上げる要領で、そうなるともう、意志とは関係なく腰を上げる他ない。

「いやそれ、まだ決まった訳じゃない…よね?」
「往生際が悪いぞ」

情けない声を出してもだめだった。降参の顔をすると、彼は手を離して、女の子とテーブルの間を縫って通路に出ていく。

「あら、どこ行くの?」
「まさかここで脱げとは言わないだろう」
「ああそうよね。待ってる」

もう少し話していたそうに聞くアリソンに、スネークは当然といった様子で告げると、何でもないようにレストルームへと足を向けた。ちょっと用を足しにいく、そんな感じで。
帰ってきたら下に穿いてないとか、これっぽっちも考えないんだろうか。
余分な考えで居たたまれなさを感じていると、聞き慣れた声が耳に入る。

「拳を食らった方が脱ぎやすそうか」
「と、とんでもない!暴力反対だ」

顎しゃくって促され、仕方なく後に付いていく。うやむやに待ってるとか、そういう淡い期待は持つだけ無駄だったみたいだ。
大体これじゃ晒し者だし、ここにいる殆どの人に、自分がノーパンですって宣言するようなものなのに、スネークは何で平気なのか意味が分からない。
もしかして見た目に自信があると、こういうネタに寛容になれるんだろうか。
それともこういうのって普通の出来事なんだろうか。

もうなるようになれだ、そう心を決めて歩き出すと、腕に触れられる感触があった。
目を向けるとアリソンが、控えめに指を置いている。彼女は悪戯っぽく、でもほんの少しだけ申し訳なさそうに呟いた。

「ありがと」
「い、いや、その、いいんだ。人生の一大イベントだもんね」

僕にとってもそうなりそうだけど、違う意味で。
そう心で付け足して、相棒の後を追いかける。一言くらい文句を言ってやらなきゃっていう気持ちだった。
それから、背後で酔っ払う美女を花嫁にできる、どこかの誰かについて考えた。

腹立たしいけどお幸せに、ほんと、お幸せに。








「それで、お店でノーパンになってて遅くなりました、そう言いたいわけ?2人とも」

何とも言えない嫌そうな声を出し、目の前で黒髪をポニーテールにした若々しいお嬢さんが、顔を歪ませる。
メイ・リンは東洋人の常で、見た目は年よりずっと若く、もうすぐ成人という年頃でも少女のように可憐に見えた。
私服だと少し化粧も華やかで、そうすると幼い訳ではないと分かる。どこか中間的な世代に見え、独特の魅力があった。

「まぁそうだ」
「何それ信じられない!今穿いてないってこと!?」

ごく自然にスネークが返事をすると、彼女は軽くヒステリックに高い声を上げた。
明るいカフェレストランではそれが目立ち、周囲の客の視線を感じてか、声のトーンを抑える。

「やだもう、半径1メートル以内には近づかないで」
「なぜだ?」
「分からないけど、なんか妊娠しそう」

彼女が真顔でそんな事を言うので、僕は思わず口に含んだコーヒーを吹きそうになり、堪えた拍子にむせる羽目になった。
隣ではスネークが、自信を持って返事を口にしている。

「しないから安心しろ。妊娠にはそれなりの手順が必要だ」
「そんなの分かってるわよ。気持ちの問題だもん」

確かに、僕もうら若き女性の側で下着を着けないでいるのには抵抗がある。落ち着かないし、何だか悪いことをしてるみたいだ。
相手の女性にしてみたら、もっと抵抗があって然るべきかもしれない。
しかし鋼鉄の面の皮を持つ僕の相棒ときたら、そんなデリケートな精神面には、まるでお構いなしなのだった。

「流石に想像妊娠までは、責任は持てないが」
「誰もそんな話はしてないったら!もうよく平気ね、オタコンも!」
「これだよ、君のせいで僕まで同類扱いじゃないか」
「何だ、悪いのは俺だけか?」

隣で文句に加勢したら、スネークは責められるのは心外とばかりに眉をしかめるので、メイ・リンは益々おかんむりで顔を紅潮させている。

「そうでしょ!どう考えたってオタコンはとばっちりじゃない。1人でいたらそんな機会絶対ないもの!」
「いやまあ、確かにそうなんだけど、そうなんだけどハッキリ言われると何だか複雑だなぁ」
「それはつまり何だ、声をかけられたのが悪いのか?」
「違うったら!」

彼女との待ち合わせは、当然といえば当然ながら、別の店に変更になった。
とてもじゃないけど脱いだって知れ渡ってる店で打ち合わせとか、絶対に無理だ。こんな愛らしい女の子相手に穿いてないとか、軽く見世物の域って気がするし。
なのにスネークが面白がってわざわざ報告するもんだから、結局話し合いにならない、この有り様。
とんだ有り様だよ、まったく。

でも同時に、やっぱりカフェでの出来事は普通じゃなかったということが分かって、少し安心もした。やっぱりおかしいのはスネークの方で僕じゃない。
いつだってそう、彼があんまり平然としているから、自分の方がマイノリティかと思って不安になった。でも大抵の場合、彼の自信は異質なのを恐れていないだけで根拠のないものだ。
英雄ともなると、自分の法則に従って生きているものらしい。常識より美女が大事とか、単に女性に弱いとも言うかも。
今だってそうだ。

実のところ、怒っているメイ・リンはとても可愛くて、僕らのお気に入りではあった。利発でパワフルで、普段に輪をかけて賑やか。
見開いた瞳に光が入って煌めくのが、濃い色の瞳に映えて生き生きと見える。
ムキになって声を上げる様子が見たくて、スネークなんかついからかって遊んでしまうらしかった。
僕も気持ちは分かるつもりだけど、流石に今回のデリカシーのなさは、嫁入り前の娘さんには気の毒なような気がする。せめて怒りを収めてもらおうと、何とかフォローめいた言葉を探した。

「あー、でもねメイ・リン、聞いてくれ。実質脱いでいた時間は、そう長くなかったんだよ。すぐに新しいの買ったからね」
「…え?そうなの?穿いてるの?」
「穿いてるとも。そんな、スネークはともかく僕までだよ、脱いだまま会いに来ると思うかい?」
「誰がともかくだ」

メイ・リンはあからさまにホッとした顔になって、座席の背もたれに沈み込んだ。臨戦態勢は解除だ、僕も胸を撫で下ろした。
本当にへそを曲げられちゃったら、困るのは僕達の方なのだ。
脇で相棒が不満そうな声を出したけど、ここは無視しておくことにする。

「ちゃんと人並みのたしなみで会いに来てるから、安心して」
「やだ、そうよね。確かに誰かさんはともかく…」
「だから、誰がともかくなんだ」

一部ではやや不満そうな声も上がっていたけど、ひとまず話はできそうな雰囲気になると、彼女は今度は恥ずかしそうに頬を赤らめて、首を振った。
そんな誤解をしたのが、恥ずかしいというように。

「そうだわ、そうよね。私ってばてっきり…」
「そうか、そんなに脱いでて欲しかったか」
「だっ誰もそんなこと言ってないでしょ!?」

やっと落ち着きそうなメイ・リンの様子が名残惜しいらしくて、スネークはわざわざ神経を逆撫でするようなことを言っては、人を小馬鹿にしたような笑みを浮かべている。
もしかすると、無神経扱いされた報復かもしれない。彼のは冗談に聞こえないものだから、言われた方もつい反応してしまうんだ。
戦場で相手を挑発するには、いい特技かもしれない。日常で役に立つとは思えないけど。

「期待に添えず残念だ」
「してない!期待してないったら!」
「いや、何ならまた脱ぐという手もあるな」
「いーらーない!って言ってるのにっ!!」

とうとう裏返った声を出すと、メイ・リンはぷいっとそっぽを向いてしまった。
これじゃいつまで経っても本題に入れない。
でも、それでもいいかな、という気がするのも確かで、無理に話題を変える必要も感じないまま、さらさらと揺れる黒髪から見え隠れするうなじを眺めた。
制服の時には見えない部分、それが高すぎない鼻のラインと合わさって、横顔の姿はすごく綺麗に見える。
黙っていたら理知的な美人で通りそうなのに、賑やかさで損していたりしないんだろうか、なんて考えていると、視線に気が付いたのか、今度は照準がこちらに向いた。睨みを効かせたかと思うと、とたんに子供がむずかるような表情になる。
ころころ表情が変わって、そこが一番魅力的だった。

「黙ってないでオタコンも何とか言ってよ!」
「うん?そうだね。スネーク、そんな期待してるなんて期待したら、メイ・リンに失礼じゃないかな」
「何だと?残念だがお前の期待には応えられそうもない」
「いや期待しててほしいって期待してるとかそういうんじゃなく…、話をややこしくしないでくれ」
「ややこしくしてるのはお前だろう」
「う~ん、バレちゃしょうがないや」

何とか議題を取り違えてくれないかと思ったけど失敗に終わって、目の前ではメイ・リンが怒った顔で目を細めている。
ちょっと怖い。

「だってさ、このサブジェクトでまだ続けるつもりかい?」
「結局脱げば丸く収まりそうなもんだが」
「あっ、あなたが!そういうっ!態度だからっっ!!!」

耐えきれなくなったのか勢いよく立ち上がると、彼女はスネークの襟首を掴んで前後に振りだした。

「だいたい忙しいとか言って用のある時にしか呼びつけないくせに女の人といちゃついてたとか脱いだとかなんなのもぉぉっ信じらんないバカっ!!」
「め、メイ・リン?」
「あまり振ってくれるな、脳震盪…」
「そもそも忙しいってなんなのよ!どうせトレーニングとかいって日がな1日走るか筋トレか銃の手入れでもしてるんでしょ~っ!大体オタコンが黙って働いてるからこーゆー男ができあがるのよ!?わかってる!!!?」

堰を切って湧き出した文句は留まることを知らず、彼女はひたすら普段の不満なのかよく分からない内容を目の前の男に向かって喚き散らしている。
レディを待たせるとは何事か、スネークが喫煙をやめないからどうの、僕が外に出ないからこうの、上官のセクハラが腹立つ、楽しみにしていたシンガーのチケットが手に入らない、エトセトラ、エトセトラ。

「み~んなあんたたちがわるいのよ~っ!!!!!」
「えぇ、僕も?」
「いや分かった。脱ぐのはよそう、脱がなければいいだろう、な」
「な、じゃないわよ!この期に及んで脱がないってなんなの!!そんなんだからいつまで経っても書類も仕上がんないし!登録申請が先送りになるのっっ!!見なさい!ろくな活動も立ち上げないからこっちは必死なのよ!NGOの壁はぶ厚いんだから分かってるのっっ!?」
「ちょっと待て、脱げばいいのか?」
「あは、あはははは!」

急に可笑しくてなって笑いが込み上げてきた。お店の注目がすごく集まっているとかもう気にならない。
メイ・リンは冷静になったらさぞかし後悔するんだろうし、スネークも脱ぐはめに陥ればやっぱり後悔しそうだ。
あんまり可笑しくて、それで今まで感じたこともないような、温かい一体感みたいなものを感じた。思わず笑っちゃうくらいの、何だろう、繋がり?
僕の中の言葉で表すと、それは可愛げとも言うべきものだ。
2人とも、すごく可愛い。

「オタコン!真面目にやって!!」
「ああ、はは、うん、やるよ。真面目にやる…けど…っ」

何だか嬉しくて笑いが止まらなくて、お腹が痛い。
怒ったメイ・リンは物理的にもやっぱり可愛くて目の保養だし、普段じっと何かに耐えているような僕の相棒も、今は隣で困惑しながら、どこか楽しそうに脱力している。
それが、この上なく大切だっていう思いがあって、もしかしたら愛しいっていう気持ちなのかもしれない。
これが。

相棒って呼べる人間といられて、友達と呼べる人間と会って、くだらないと思うような話を散々して、元気を確認したり、そういうのがいい。
世界をどうにかしなくちゃっていう思いと同じくらいの大変さで、僕達は、毎日を生きていかなくちゃならないんだ。
押し潰されそうな過去と未来とに、ずっと負けないために。
今を。






人生のうちで、女性に下着をねだられる瞬間なんてものは、皆無に近いと言っていい。
スネークがいなかったら絶対にできなかった経験は、山のようにあるけど、これもそのひとつだ。
笑っちゃうような、そして本当に大切な、最高の思い出のひとつ。










END


フィランソロピーのそもそもの、NGOって何だろう?NPOとの違いは?
そんな方のためのNGO講座(嘘です)はこちら!
MGS、反メタルギア財団「フィランソロピー」を考える。大変ためになる財団法人のお話とか(笑)
ご興味のある方はどうぞ!





 

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テーマ : 二次創作:小説    ジャンル : 小説・文学
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◆プロフィール

輝思回生

Author:輝思回生
MG、特にMGSシリーズをこよなく愛しています。
こそこそしたり、遠くから眠らせたり、後ろから忍び寄って脅してみたり、なんて私にぴったりなゲームなんだ!

とにかくオタコンびいきです。
オタコンならば何でもいいという!(笑)
そしてスネークおじいちゃんのお髭愛も!

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