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溢れるMGS愛:PHILOS-ANTHROPOS

MGS語りや小説、考察?落書きと、愛しかない一風変わったMGS日記(不定期)

 
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Category: ◇ 日記的おしゃべり・ご連絡  

こんばんは~!

 
今日も時間が取りきれずに小説に!~(7)まで上がった!
少しは楽しんでいただけているといいんですが(笑)


このまったり感、後から、ああまったりには理由があったんだ~みたいな内容になっていきます!
わぁそんな宣言してから!
ちょうど引きの入った終わり方だしいいかな(笑)この長ったらしい副題にも意味がね、うん!

しかしのんきに読んでいただけたらありがたいですよ~。


実は(7)には加筆しなきゃと思ってる事があったのですが、入らなかったのです。よよ。
オタコンは別に動物ダメじゃないよね、口実ですよね!猫も好きだよね?
って、1で狼犬に餌やりしてるくらいだからそうとは気づいてもらえるだろうけども!

気づいてもらえるを前提にないままです(笑)
後からエピソード入れられたらいいかな、とも思いつつ、些細なことなのでまぁいいか!いいかな!


小説は、「戦場の魔法使い」が初めての小説でしたが、途中のまま「4月のさかな」を始めて、その前に何本か短編も作っていました。短編ていっても6話くらいあるのも入ってましたが。
そんなのも上げたいところです(笑)

たいそう書いてたんだな~と思う。月に8本くらい書いてた計算?まぁ1本がこの長さなので何ですが。
なんて思い出はよくて!続き書きたいですよ!


そんな大いなる野望を胸に、また明日!





 

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テーマ : 更新報告・お知らせ    ジャンル : 小説・文学
Category: 小説【もくじ・関連記事】 >  4月のさかな [続]  

4月のさかな(7)博士の素晴らしきエイプリルフール6:チョコレートショップ【MGS小説】

 



午後の暖かな陽射しの中、石畳の坂に、建物たちが優雅に影を落としている。

手持ちのケースをホテルに預け、身軽になったオタコンは、足取りも軽く大通りへ向かった。
大通りから向かうとチョコレートショップへの道は遠回りになるが、人通りのある道を通った方が安全だと思ったからだ。
映画じゃあるまいし、大勢人のいる所で突然自分が血まみれで倒れて大騒ぎになる、なんて事には多分ならないだろう。

フィランソロピーの活動状況を考えても、追随する団体もついぞ見かけた事がない。
見せしめにする必要もないから、騒ぎが大きくなるのは狙っている側も望んでいないはずだ。
もし目的がスネークに対しての警告やメッセージだとしても、やはりニュース沙汰にするような必要性がない。
ひとまず人に紛れている間は安全なはずだった。
もし狙われているならの話だが。

ちょうど小さな学年の小学生らしき子供たちが、下校中なのかたくさん歩いている。
かわいらしいなぁ、と思わず頬を緩めながら信号を待つ間、なぜか通りすがった小学生がみんな微笑みかけて行ってくれた。
くすぐったいようなうれしいような、ぽかぽかした気持ちだ。
こんなのどかな昼下がりに、物騒な事件が起こりっこないと思ってしまう。

通りはよく見るとあちこちに脇道があり、細い路地裏が入り組んでいるだろうというのが見てとれた。
ああいう所には絶対入らないようにしよう。そう心に決め、青信号を渡る。
大通りに出ると、人通りも車通りも賑やかだ。脇に面した様々な店を眺めながら、いつもより速めに足を運んだ。
なるべく早く部屋に帰らないとならないが、走るのは体力的に問題外、という、ちょっと情けない感じではある。数分どころか1分間すら走り続けられない自信があった。
ちなみに腕立て腹筋だと3回できたら奇跡だと思う。
そんな訳で気持ちは相当急いでいても、端からみると思いの他のんきに散歩している風情で、目的地を目指す。

人混みを歩いていても、中には背中に魚を貼り付けている人を見かけた。
青い画用紙にキラキラした折り紙をたくさんりつけた物や、おかしなメッセージを書いてあるものもある。
いかにもできる男といったスーツの紳士がピンクのかわいらしい魚を付けて颯爽と歩いていたりして、微笑ましい事この上ない。
それを道行く人がにこにこしながら眺めていたり、クスクス笑って振り返ったり、本人に気付かれないように楽しんでいる。オタコンも朗らかな気持ちだった。
ふと気付くと、自分を追い越して前に歩いて行った人の背中に、今朝ホテルでパーカーに付いていたのと同じ銀の魚が貼ってある。この偶然には驚いた。
宿泊客だろうか、きっと同じホテルから来たのだと思うと、何だか親近感だ。

スネークに外出がばれないようにGPSを切っているのは少々不便だったが、携帯でネットの地図を確認しながら進むと、昨日ナタリーと別れた見覚えのある場所にやってきた。
その後は引きずられて帰ったので、景観を楽しむ余裕がなかったのだ。
これまた覚えのあるチョコレートショップをガラス越しに覗くと、昨日より華やかに魚が飾り付けられた店内の様子がよく分かる。
店のドアを開けると、相変わらず甘い、いい香りがした。

「Bonjour、Soyez Ie bienvenue.」

相変わらずフランス語で声をかけてもらえる。ボンジュールの部分だけは、大分聞き取れるようになってきていた。
今日は店に二人女性がいる。昨日の店員と、熟年のいかにもマダムといった女性だ。店主かもしれない、そんな印象だった。

「ボンジュール」

笑顔で挨拶だけすると、昨日の店員がマダムに何か話し、するとマダムはにっこり笑顔で英語で声をかけてくれ、店員を隣によこした。

「彼女がご案内します」
「わぁ、メルシー」

マダムに礼を言い、早速チョコレートの魚とにらめっこする。

「ようこそ、贈り物ですか?」
「うんそう、好きな女性に、告白?ていうの?」

なるべく簡単な言葉でゆっくり話そうと思うが、どんな単語までなら通じるか分からないので適当だ。

「ああ、好きです、のチョコレート」
「そう、それそれ」

通じたらやはりうれしいもので、昨日からの気安さも相まって、何となく連帯感のようなものが芽生える。

「カードもあります。一緒に」
「へえ、あ、添えるの?チョコに?」
「はい、メッセージ」

身ぶりを交えながら話をすると、相手も打ち解けてきてくれたのか口数が増える。

「変わったチョコとかある?サプライズ」
「サプライズ」

そう言って指差されたチョコレートは、一見結構リアルな魚だ。彼女はお皿に乗ったサルプルらしき商品を目の前に差し出した。
何だかおままごとの茶色い魚料理に見えない事もない。

「オープン」
「え、開くの?いいの?触って」

頷かれ、言われるまま魚に触れると、魚自体はチョコを模したサンプルだったが、中から小さな魚がたくさん出てきた。
白に茶色にピンク。

「わあ、なんかいっぱい出てきた!」

素直に驚いて見せると、相手はうれしそうに笑い、説明を加える。

「これ、本物はチョコレート」
「えっ、周りもチョコなんだ?へえー、面白いね」

よく考えたらナタリーにとってはお馴染みの贈り物なんだろうから、こういうのは今更かもしれない。
でも贈る本人のスネークがちょっとは驚いてくれたら楽しそうだ。

「うーん、迷うなー、豪華なのも捨てがたいし」

見た目の綺麗な物にするか、凝った仕掛けがいいか。

「豪華?」
「あ、うんゴージャスだね」
「今年、復活祭、もう終わったので」
「復活祭?あ、卵?イースターエッグか」
「はい、そう、ウフドパック」

なるほど、今年は復活祭が早かったから卵のチョコレートの時期が終わっているという意味なのだろう。
これがまだだと、魚より卵がメインで陳列されるに違いない。なにしろ復活祭といったら年間行事の中でも重要なイベントだ。

「そうか、そうだよねぇ」

楽しく話しながら魚を選んでいると、店には他の客もやってきた。見るとマダムがにこやかに対応している。

「君も行ったら?」

二人でマダムを振り返ると、彼女はいいから、という風に手を振って、お客の相手に戻った。
なんて素敵な店なんだ。

「マダム、いい人だね」
「はい、とても」

ここは少し、というか大分奮発して、バスケットに入ってリボンをかけられた少し大きめの子持ち魚に決める事にした。
専門店でチョコレートを買うと、軽くディナーくらいの金額になるなんて話は聞いていたが、まさしくそんな感じだ。

「見えないようにできる?包装で」
「見えない」
「うん、紙とかで包んで」
「はい、できます」

スネークがフランスの文化にどのくらい精通しているか分からないが、知らなければ魚の時点からびっくりしてもらおうと、目隠ししてもらう事にする。
贈った本人が一番驚く贈り物って何か変だが、細かい事はまあいい。
定員はマダムと話し、柔らかい質感の紙を合わせてかわいくラッピングをし、口をまとめた上から魚にかかっていたのと同じリボンで結んでくれた。
その見た目に大変満足して会計を済まし、ドアを出ると、彼女も一緒に出てきて見送りをしてくれる。
お礼を言いながら手を振ってもらい、こちらも包みを抱えたのと反対の手を振った。

「ありがとう、メルシー、メルシー・ボクー」

振り返り、歩きながら、何度も感謝の言葉を述べる。
名前も知らないチョコレートショップの定員は、雑踏の向こうから、見えなくなるまで手を振ってくれていた。

今回のフランスは、何だか随分人に恵まれている気がする。
出会う人みんなが親切で、たくさん素敵な事やものに触れて、こんなに心温まる旅を、今までにした事がない。
そんな気持ちになる経験だった。
これでスネークとナタリーが上手くいったりしたら最高だ。
なんて事を思いながら、大切なチョコレートの入った包みをしっかり腕に収め、ホテルへの帰路を急ぐ。

よくよく考えたら、自分の事でもないのにすごく精力的に動いていて、我ながら間抜けな感じだ。
でもこんなに人のために何かしたい、と思うような友達ができたのは初めてだから、やりたいようにやろればいいや、と思う。
それにスネークはあまりあれが欲しいだの、どうしたいだの、そういう事を表に出さなかった。
元々望み自体も薄いみたいだが、ない訳ではないはずだ。
そう、メリルとの別れを思い出してみてもそうだった。本人は、別れたくないと思っていたのだと、今なら分かる。
何だかんだと言われるまま、当時は彼が思うようにすればいいと、別れを止める事もしなかった。
それを後悔している。
今だったら絶対に、間違いなく、一言くらいは言ってやるのに。
怖がってないで、もっと色々なものを受け入れるべきだって、他人を見たらって、言ってやるのに。
メリルをちゃんと見てあげなよ、そう、当時の自分には言えなかった。自分自身も、まだそういうのがよく分かっていなかった。
あの後悔があるから、スネークには女性と上手くいってもらいたいと思ってしまうのかもしれない。
いつまでもメリルから抜け出せないまま、ずっといてほしくなくて。
迷惑かもしれないけど、迷惑でもいい。少しでも、彼の中で何かが変わってくれれば、そう思うのだ。

帰り道、考え事をしながら歩いていると、背中に誰かがぶつかってきた。
驚いて振り返ると、もっと驚いてしまう。先ほどエレベーターに同乗した若者だ。小銭を盛大に落としていたから記憶にある。

「あれー、さっきはどうもぉ!」

にこにこと能天気に声をかけられる。
若く見えるけど、もしかしたら自分と同じくらいの年齢かもしれない。

「やあ、偶然ですね」
「ほんとですねー、買い物?いい店ありました?」

彼は隣に並んで歩き、気さくに話しかけてくる。やはり少しニュアンスに訛りがあった。フランス訛りというよりは、もっと言葉の分からなそうな国のものっぽい。

「うん、今日はフランスじゃチョコレートを贈ったりするらしいから、ぜひ欲しいと思って」
「へえー!そうなんですか!いいね、贈り物!」
「いいよね」

元気な若者だ。ちょっとハイテンションな感じが、研究所でチームにいた仲間の一人に似ている。

「俺も贈る相手がいればなー!」
「一人旅?」
「そう!残念ながら!もうホテルに帰るとこ?」
「そう、残念ながら」

笑って話をしながら帰り道を行く。
一緒に小銭を拾った仲という薄い繋がりだったが、そもそも言葉が通じる、それだけで異国では仲間みたいな感じがした。
フランスの感想やホテルの話を楽しみながら、石畳を歩いていると、人が一緒にいるというだけで、もう危険はないような気になって安心だった。
無事にホテルのエントランスが見えてきて、眩しさに目を細めながら坂を上っていくと、突然脇に引っ張っていかれる。

「白い猫いたよ!猫!かわいいな~」
「え、ど、どこに?」
「あの先に走って行ったけど、きっと車の下にいるね!」

見ると指差された先は細い路地だ。これは猫のために入っていくのはやめておきたい。

「いや、僕、正直生き物は苦手なんだ」
「え、そう?だめ?」
「うんだめ」
「あちゃー!ごめん!」
「いいんだ。猫かわいいもんね」

彼は空を見上げ、もう一度大袈裟にあちゃーと首を振った。

「ごめん!俺いつもこんなん!」
「ああ、安心して。僕も似たようなもんだから…」

何だか行きずり以上の親近感を感じて、仲良く話しながら一緒にホテルに帰る。
エントランスに入ると、受付にはやはり人がいなかった。
ベルを鳴らして待つ時間も、今しがたできた知人のお陰で苦にならない。おどけて楽しい話をする姿は、やはり思い出の仲間を彷彿とさせた。

主人が相変わらずカフェの方から走ってきて、包みを見せると一緒によろこんでくれる。
ケースとルームキーを受け取り、二人に別れを告げて部屋に帰った。

鍵を開けようと差し込むと、どういうわけか、鍵が開いている。
一瞬にして、背中が冷たくなった。






つづく


 

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テーマ : 二次創作:小説    ジャンル : 小説・文学
Category: ◇ 日記的おしゃべり・ご連絡  

記事に追加修正、とかごあいさつ!

 
こんにちは!
昨日は小説ばかり2本も上がって、ちょっと寂しかったですね!私が(笑)


今日もこの記事の前に小説を上げました。
計3本連続です!小説ブログみたいだ(笑)
「4月のさかな」は直しとか加えようにも文字数も一杯なので、けっこうそのまま上げるしかないです(笑)
だったらば一気に上げなされという話ですが、ひとまず読み返してチェックはしておりまして!誤字脱字とかね!
のんびりお付き合いくださいませ~!

今日の夜は何か話したいよ!


さて、でもって昨日は、記事に一部加筆修正を加えました。
情報系のものなのでご報告しておきますよ!

★「MGSゲームコレクション」記事
MGS小説の作者を追加。レイモンドさん、伊藤さん、これからの長谷さん。
オフィシャルではないですが、伊藤計劃さんの短編フォックス話もご紹介しておきました!
うっかり忘れてましたけど、伊藤さんの作品だからね!
誰?て方のために、今度ぜひ伊藤さん記事も書きますよ!
監督の愛した作家さんです(笑)

★「METAL GEAR SOLID THE LEGACY COLLECTION」記事
MPOがなぜMGSの歴史に加わらないか分かりました!レガシーにもないのはそのためか~。監督ったら!て思う理由(笑)
ちょこっとですけど追加してあります。
MPOについても取り上げたい!
内容もさることながら、扱いが扱いだけに思い入れが強くなっちゃった作品です(笑)

と、そんな感じで、よければ確認してみてください~!

直した瞬間にコメントいただいたりして、その方は直った記事をご覧になったのか気になるな~(笑)
なんて微笑ましい出来事もありましたよ!

楽しく交流していただき、ありがとうございます!私はしあわせ者です!


あと「4月のさかな」の内容にちょっと突っ込みを入れておかなきゃとも思ってます。スネークさんと、あとメタルギアについてね。
色々書きたくて困ります!こういうのうれしい悲鳴とか言うのかな(笑)


それから、コメントのお返事いたしました!
こちら随時いたしてっております(笑)ので、書き込みいただいた方は、コメント欄チェックしてみてくださいね~!


ではまた本日!





 

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Category: 小説【もくじ・関連記事】 >  4月のさかな [続]  

4月のさかな(6)博士の素晴らしきエイプリルフール5:外へ、長き道のり【MGS小説】

 



フィランソロピーはメタルギアをターゲットにしたNGOなので、他の核兵器根絶を謳った活動団体とは一線を画している。
それでも平和への願いは変わらない。

そういった内容から始まり、シンポジウムでの発表は、この機会に広くメタルギアの存在を知ってもらうのも目的だ。
既存の兵器になりつつあるとはいえ、メタルギアはまだ一般には広く知られているわけではなし、この技術の恐ろしいところは、宅急便で爆弾が届くくらいお手軽に、核が飛んでくるかもしれないのだ、というところにある。
そういうのは扱っている当人たち、いわゆるならず者国家なんて言われている輩も、どこまで認識できているか怪しい。
今はそれくらい、闇の市場にメタルギアの技術が出回ってきている。

実際のところ、二足歩行戦車まで仕立て上げなくても、レールガンで核さえ撃てるように出来れば抑止になるのだし、そういった部分的な技術だけの流用なら、もっと幅広く地下組織に普及しているのが現状だ。
恐ろしいのは、使用済み核燃料が品薄にならない、という事実だった。
この辺りは反原発までには至らないように、上手くまとめる必要がある。
なんと言ってもここはフランスだし、主催側にもあくまで兵器としての核を根絶するテーマで、と、一応釘を刺されていた。

「こんなもんかな」

大体の準備はデスクのパソコンで済ませてきたので、配布する資料のチェックや、内容確認、原稿の手直しと、やる事自体は大して多くなかった。
一通り原稿の推敲をして、朗読してみて長さを計ると、合わせて画像を動かせるように実際にやってみる。
今は自前のパソコンからスクリーンに、好きなように画像を投影できるからありがたい。
カーソルを指差し棒の形にすれば、スクリーンの前を動き回らずに済むし、これなら一人でも壇上で自由に説明ができる。
昔学会に出た時には、まだスライド方式で、人に手伝ってもらわなくてはならなかった。
違うフィルムを置いたりしたら悲惨だ。やはり印象に響いてしまうし、タイミングを合わせる打ち合わせも必要だった。
でもそれも楽しかったといえば、楽しかった思い出だ。

「ほんとにこんなの久しぶりだ」

感慨に耽りながらも大体の支度を終えると、時間はまだ3時前、部屋に帰ってきたのが昼前だったのを考えると、エイプリルフールについて余分な事を調べていたわりには、早く終わったと言えるだろう。
ミニバーから飲み物を出してきて口をつけながら、ベッドに横になる。
このまま寝ながらスネークからの連絡を待とうと思っていると、タイミングを見計らったように携帯が鳴った。

「はいはい、僕だよー」
「あ、博士かしら?誰だか分かる?」

てっきりスネークからだと思ったのでものすごく気楽に出たのだが、相手は女性だった。

「あれっ、ナタリー!?」

思わずベッドの上で起き上がり、居住まいを正して電話を受ける。

「どうしたんだい?スネークは?」

聞くと、携帯の向こうで笑った感じが伝わってきた。何かおかしな事でも言っただろうか。

「彼はトワレットにお行き遊ばしたわ。一人で寂しいかしらと思って。準備はどう?」
「うんもう大体終わったよ。スネークはメール見たかな?あんまりそういう文化に通じてないから気付いてないかもしれないや」
「何か送ったの?」
「うん、ディナーの前に寄ってくれって。何か食べ物買ってきてもらおうと思って」

聞かれるまま答えると、少し間があった。やっぱり何かおかしな事でも言っただろうか。
そう考え、ふとスネークの事をコードネームで呼んでしまっているのに気がついた。でももう呼んでしまったのだし、通じているからまあいいか、と思い直す。

「ルームサービスもあるわよ?なんて言ったら野暮かしら」
「え?ああ、そうだね。でも寝ちゃうかもしれないから、時間に起きれなかったらさ。今日は二人でゆっくりしてくるんだろうしね?」

意味深に告げると、ナタリーはからかうように笑った。

「あら、いいの?」
「もちろんさ。こっちは大人しくしてるから」

笑う彼女の声を聞きながら、ちょっとしたサプライズもあるしね、と心の中で付け足す。
スネークが魚のチョコレートを女性に贈るところを想像したら、何だかおかしかった。あまりやりそうにないし、チョコレートがそもそも似合わない。

「ところで博士、もしできたらお願いしたい事があるんだけど」
「うん、なんだい?僕にできることなら」

ナタリーの願いなら多少無理してでも叶えてあげたい気持ちだ。

「私ったら部屋の鍵をどこかに置いてきちゃったみたいなのよ。多分ホテルのフロントでバックを開いた時だと思うんだけど」
「ああ、じゃあ聞いてみるよ」
「そう?いいかしら?忙しいならこのあと電話してみるけど」

そんな事をしていたらスネークが帰ってくるだろうし、部屋の鍵なんて大事な物、二人で探しだしたら折角のデートが台無しだ。

「いいよ、聞いとくから。任せといてよ。どんな鍵?」
「白い猫のキーホルダーが付いてる鍵よ。背中にNって入ってるフェルトの猫なの」
「分かった。君の携帯、留守電入るかい?設定しといてくれたら報告入れとくから」
「本当?助かるわ。ありがとう」

ホッとしたような声がして、心配だったんだな、と分かる。早く確認して安心させてあげなくては。

「大丈夫、すぐだからね。君は楽しんで。じゃあ」
「ええ、ありがとう。お願いね」

通話を切り、すぐにフロントに電話してみる。しばらく呼び出し音を聞くが、出ない。

「こんな時に限って?」

思わず受話器を見つめてしまう。
そのまま呼び出し続けながら、いっそ出掛けてしまおうと、パソコンや資料を片付けて手持ちのケースに入れた。他はトランクに放り込み、鍵をかける。
フロントに行くついでに、昨日のチョコレートショップまで足を伸ばしてしまおうという魂胆だ。
パーカーを羽織り、財布と携帯とルームキーを持ち、ケースを抱えると、一通り部屋を見渡して、受話器を置いて部屋を出た。
タイミングよくエレベーターが来ていて、中の紳士風の男性がボタンを押して待っていてくれる。

「どうもありがとう」

お礼を言いながら乗り込むと、異国の言葉で返事をされる。聞いた感じ、フランス語ではないようだ。発音の感じドイツ語かもしれない。
続く階でも、扉が開く。
なぜか若者が廊下の奥の方から慌ててやって来て、持ち物を色々と落とし、拾い、それをやはり紳士がボタンを押して待っている。
持ち上げた財布から小銭が散らばるのを見て、流石に気の毒になり、拾うのを手伝いに出て行った。するとお礼の言葉は少し訛りがあるが英語だ。

「ありがとう!すいませんわざわざ」
「いえいえ、お互い様だから」

なるべくにこやかに返事をし、ひとしきり床の物を拾いきると、紳士の待つエレベーターに二人で駆け込む。
それぞれにお礼を言うと、紳士は笑って相変わらず異国語で返事をしていた。
ナタリーの言う通り、このホテルは外国のお客が多いらしい。

随分時間をかけてフロントのある階にたどり着くと、同乗者の二人と別れ、すぐさまカウンターから声をかける。
何だかサービスの行き届いたホテルなのに、フロントに人がいないなんて妙な感じがした。いたらまず電話に出てもらえていただろうけど。

「すいませーん」

声をかけながらベルを鳴らしていると、予想と逆の背後から声がした。

「御用ですか?申し訳ありません、すぐにうかがいます」

カフェの方からホテルの主人が小走りにやってきて、息を切らしながら慌ただしく位置につく。

「お待たせいたしました」
「忙しそうですね」
「大変失礼いたしました」
「あ、ううん、全然。ちょっと聞きたい事があって」

素直に思った事を述べたら恐縮されてしまった。文句みたいに聞こえただろうか。

「こちらで鍵、預かってませんか?白いフェルトの猫のキーホルダーがついてる…、ナタリーのなんですけど」
「ああ、はい。後ろにNと入っていますかね?」
「あ、そうそれ!探してるって聞いたから」

鍵はあっさりと見つかり、これで留守電にメッセージを入れたら一つ目の任務は完了だ。ひとまず安心してチョコレートを買いに行ける。
主人も心配事が減ったからか、晴れやかな顔になった。

「そうですか、ナタリーの鍵でしたか。カウンターに忘れてあったので、お預かりしていますよ」
「よかった、ありがとう。じゃあ彼女に伝えておきますね」

こちらもすっきりとした気持ちで告げ、早速電話をかける。ナタリーの声の後に発信音を確認して、報告を入れた。

「やあ、ナタリー、僕だよ博士。博士って変だね。えーっと鍵だけど、安心してくれていいよ、フロントにあったから。こっちに寄る時にでも受け取って行ったらいいんじゃないかな?じゃあ、いいデートを」

用件を言って切り、ついでに携帯のGPS機能も切ってしまう。
スネークにはバレるだろうが、とりあえず急きょ帰ってきたりは、いくら何でもしないだろう。
と思いたい。

「丁度いいや。ちょっと出掛けてくるんで、これ預かってもらえます?」

主人にノートパソコンの入ったケースとルームキーを渡すと、少し驚いた顔をされた。

「お出掛けですか?」
「うん。すぐ近場までだけど」
「待ち合わせとか」
「ううん、チョコレートショップで買い物するだけ。今日ポワソン・ダブリルだって知ったから。贈り物に」

先ほど覚えたての知識を早速使ってみると、主人は納得したように笑顔になった。

「ああ、ポワソン・ダブリルね。誰かお贈りになる女性でもおいでですか?」
「あー、うんまあ。今朝の背中の貼り紙で調べて。あれ素敵だったなぁ、銀色の魚」
「光栄です。貼り紙は毎年恒例なんですよ」

そう言いながら、彼は預かりの帳簿らしき物を出してくれる。

「何でしたら、私どもでお好みのチョコレートをご用意いたしますが」
「え、そんな事頼めるの?」
「はい、よろしければ」

本当に何ともサービスの行き届いたホテルだ。今年一番親切だったホテルに、まだ4月とはいえ決定してしまいたい気持ちになる。

「うん、でもいいです。忙しそうだし」

うれしい気持ちのままに笑顔で返事をすると、相手の表情がほんの少しだけ曇った。やっぱり文句みたいに聞こえたんだろうか。
目の前の男は、言いづらそうに上半身を倒し、少し小声で告げてくる。

「いえその、お連れ様に…お客様が外出なさらないように、と承りまして」
「え!?」

オタコンは驚いて思わず大きな声を出した。
まじまじと見ると、主人は口の両端を持ち上げながらも眉を下げ、困り顔だ。
気持ちはよく分かる。自分すら呆れて情けない顔になってしまうのだから。

「そんな事言ったの?」
「はい、申し上げにくいのですが、それで大分サービス料の方もいただいておりまして…」
「うわ…」

つい目眩がするような気がして額を押さえる。
まったく何てことだろう。
それがポケットマネーにしてもだ、今までもそんなお金の使い方をしてきたんだろうか、あの男は。
それでこの人の良さそうな主人が人質か。この人にこうやって困った顔をされたら、自分は出ていけないだろうと踏まれたのだ。
もちろん当たっている、当たってはいるが何だか腹も立ってきた。
こういうのは好きじゃない。絶対そんなのの思い通りになんかなってやるもんか、という気になる。

「じゃあ、ご主人に頼んだ事にしようかな」
「では…」

ホッとしたような男の顔に、少しは申し訳ない気もしたが、もう心は決まっていた。

「口裏を合わせてくれるんでいいですから、よろしく」
「えっ!?」

今度は相手が驚いて声を出したが、構わず尻目に出発しようとする。

「お待ちください!そういう事でしたら預かりのお名前とルームナンバーを…」

諦めたように帳簿を差し出され、それに軽くサインすると、いよいよ外出だ。
ホテルの主人に見送られ、勇ましくエントランスから外に出る。

外は何ともいえない、いい天気だった。





つづく


 

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4月のさかな(5)博士の素晴らしきエイプリルフール4:魚の日、他愛ないミッション【MGS小説】

 



ホテルに飾られた魚たちに見送られながら部屋に向かう間、スネークはオタコンの襟首を掴んだままだった。

ナタリーに別れを告げるのに、彼女の前で名残惜しそうにいつまでも動こうとしないのに始まり、魚の飾りに寄って行く、窓には近づこうとする、放っておいたらまっすぐ部屋に帰るどころではないからだった。
ずるずると引きずられるように連行され、部屋のドアから押し込まれる。

「乱暴だなぁ、のんびり帰ったってバチは当たらないよ」
「お前に付き合ってたら出掛ける前に日が暮れる。それと窓には近付くな」

悪気なく文句を言うオタコンに、スネークは渋い顔になる。自覚がないというのは質が悪い。

「狙われてるのはお前なんだぞ」
「それってホテル内にも出たらダメってこと?」
「極力出ない事だ。いや非常事態以外出るな」

随分な厳戒態勢だ。オタコンはそんなに用心する必要がどこら辺にあるのかが分からない。

「ちょっと大袈裟じゃないかい?」
「お前には大袈裟くらいが丁度いい」

頭ごなしに自主軟禁を迫られ、不満そうに唇を尖らせてはみたが、スネークは顔色一つ変えずに最後の言葉を述べた。

「じゃあな」

同時に目の前で重い音を立ててドアが閉まる。
部屋に一人残され、相棒にやや冷たくドアを閉められたので少々気が滅入り、訳もなくノブに手をかけ、何も考えずに捻って開けた。
頭を出すと、スネークはまだエレベーターの前でこちらを見ている。

「あ、その、気を付けて」

目が合ったのでそう言うと、彼はエレベーターが開いたにも関わらず戻ってきた。

「脱け出す算段か?」
「違うよ!見送りだろ」

そんな気は更々なかったのでついムキになると、相手はいつもの信じていない顔で首を傾けた。

「そうか、行ってくる」
「うん、楽しんできて。じゃあ…」

そう言って今度は自分でドアを閉めた。
そしてふと気付く。
別にスネークは自分の行動をモニタリングしている訳ではないし、ほんの少し外に出るくらい分かりっこないのだ。
ホテル内にはそんなに見る所もないから、すぐに帰ってくればいい、気になった魚の飾りを見てくるくらい、ちょっとだ。

とたんに悪戯を思い付いた子供のような気持ちになり、早速外に出てみたくなる。
ドアに耳を当てがい、外の様子を窺うと、少し待っても何も聞こえてこない。
もう行ったかな?と思い、うっすら入り口に隙間を作ってみると、すぐ前の先程と変わらない位置で、スネークが腕を組んでいた。

「脱け出す算段」
「わぁまたねッ!」

相手が何か言い終わらないうちに慌てて隙間を締め、すぐに入り口から離れてベッドに避難し、胸を撫で下ろす。

「あービックリした」

スネークがまさか延々ドアの前にいるとは思えなかったが、何となく外に出る気は失せてしまった。
見ると部屋には掃除が入ったらしく、ベッドメイキングがされていた。ドアノブにに何もかけずに出かけたからだろう。
のわりにスネークは部屋にチェックに入らなかった。いつも必ず部屋を一通り見て、爆発物や盗聴器といった怪しい物がないか確かめるのに。
よほど信用できる筋のホテル、ひいては元恋人なんだろうか。

よく見ると、ベッドの上に魚の形の色紙が置いてある。手に取って見ると、何ヵ国語かで文字が書いてあった。
その中の一文に英語もある。

「背中を見て…?」

不思議に思って出入り口の側の大きな鏡に背中を映すと、背中にもキラキラした魚がくっついていた。

「あれ、いつの間に」

パーカーを脱いで剥がしてみると、なんの事はない、銀色に光沢のある画用紙をちょっとリアルに魚の形に切って、両面テープで張ってあるだけだ。
他愛のない、可愛らしいいたずら。
ホテル内の魚の飾り付けといい、今日は何だか魚にまつわる日なんだろうか?
そういえば昨日、エイプリルフールで魚がどうのと、チョコレートショップの定員が言っていたのを思い出す。

「エイプリルフールかぁ」

それでホテルからこんなサプライズが?そう思うと頬が緩んだ。異国の地でこんな思わぬもてなしを受けるなんて、何だかあったかい気持ちになる。
惜しむらくは、このささやかながら素敵な出来事を、誰かと分かち合えないことだ。
とりわけいつも一緒にいる相棒と。
気が付いたら折角の4月1日だというのに、今回はシンポジウムの件で慌ただしくしていてジョークも何も考えていなかった。
これはもう、今から考えるしかない。

そう思い立つと、荷物の中からノートパソコンを引っ張り出してくる。自分の手荷物と発表用の資料は別に出しやすいようにしてもらえていた。
スネークときたら本当に律儀だ。お陰さまでちゃんと準備もしなくちゃな、という気にはなる。
手回り品を一通り机に作業しやすいようにセッティングすると、まずはフランスのエイプリルフールについて調べてみる事にした。
やはり気になっている事があると仕事にも身が入らないので、そういうものは早いうちに解決してしまうに限る。

「あった、ポワソン・ダブリル、だったよな確か」

昨日聞いた単語を思い出しながら移動すると、魚の謎はすぐに解けた。

「へえーポワソンが魚、ダブリルが4月って意味か。え、エイプリルフールって騙される人って意味だったんだ。知らなかったなー」

フランスではエイプリルフールを4月の魚と言い、この日は魚を形どったスイーツを食べたり、チョコレートを贈ったりするらしい。
背中や服に魚の形の切り紙を貼ったりして貼られた人をからかったりと、恒例のジョークもあるようだ。

起源については諸説あるようだが、16世紀にシャルル9世が1年の始まりを4月1日から1月1日に変え、新年に贈り物をする風習のあった人々が、この日に見せかけの贈り物をするようになったとか、それにまつわる悲しい逸話が書かれてあったりとかする。
これがイギリスに伝わってエイプリルフールになったという説もあるらしい。同時にエイプリルフールの起源も別に記されていて、どれが本当かははっきりしない。

なぜ魚のなのかに関しても様々な理由があるようだった。
メジャーなのは、魚とはサバの事で、やつらは4月になると簡単、大漁に釣れる事から間抜けな魚と称されて、それが由来なんだという話や、4月になると太陽が魚座を離れるからなんたらとか、果てはポワソンの元々の綴りは別の単語で、キリストの受難を意味していて、キリストが保守派の司祭長たちに愚弄されたのを忘れないために云々。

「サバってマクローって言うんだ。ふーん」

ネットの取り扱いは大量かつ曖昧な情報を鵜呑みにしないことだ。
それを重々承知しているオタコンは、話し半分に一通り記憶しながら知識欲を満足させると、自分に必要と思われるサイトを軽く回り、今日のジョークのために頭をひねる。
ところが、調べものをするうちに、ジョークよりももっと素敵なアイデアを思い付いた。

「ああ、これがいいかな。うん、これいい、チョコレート」

どうやらこの日に贈る魚の形のチョコレートは、好きな人に贈って想いを伝える手段にされることもあるらしい。
オタコンの大好きな日本文化における、バレンタインチョコのような役割だ。
失敗しても冗談にできるから、という理由らしいが、上手くいったらスネークとナタリーもちょっとはいい雰囲気になるかもしれない。
そう考えたら、もうこの魚チョコをスネークに贈らせる事で頭が一杯になって、いても立ってもいられなくなり、とにかく近場のチョコレートショップを検索にかけていた。
地図を見ていくと、昨日行った店が実は近そうだ。前のホテルからぐるっと回って今のホテルに入り直したから気付かなかった。
さすがに配達なんかやっていないだろうし、自分で買いに走らなければならないだろう。

多分、怒られる。
いや絶対に怒られる。
ホテルの人に頼み込んで買ってきてもらうのはどうか、なんて事も考えたが、小さなホテルでそういうのもどうかと思えたし、できたら自分で選んで買いたい気もする。

「あ、そうだよ。今日エイプリルフールだし、それでいこう」

ホテルに頼んだんでもいい、摩訶不思議な理由をつけてもいい、言い訳は後で考えることにして、とにかく出掛けてしまえばいいのだ。
スネークも自身の事を大袈裟だと認めていたのだし、という事は現実的にはそこまで切迫している訳ではないはずだ。
そうに違いない。
ほんの数分くらいの距離、チョコレートを買いに走るくらい、きっと何でもない。

かなりの勢いで思考回路が都合よく回っている、という自覚は一応ある。
だがオタコンにとっては、もういかにこの素敵な思いつきというミッションを遂行するか、の方が重要で、そうなると自分が狙われているなどという、曖昧かつ正確でない情報は、すっかり思考の茅の外だ。
そもそもフランス入りしてからこっち、危険にさらされた事など一度もなかったし、脅迫文に関しても、裏を取ってはみたが、該当するような情報は今のところ見当たらなかった。
つまり、取り越し苦労の可能性も高いわけだ。

「問題はデート中にいかに自然に呼び出すかだよな、うん」

すっかりチョコレートを買いに行くのが決定し、もうスネークに渡す算段を始める。

「早いうちに連絡した方がいいはずだよ。遅くなると余計邪魔しちゃうだろうし、なんか上手い口実ないかなぁ」

ぶつぶつと独り言を言いながら、椅子の背もたれに頭を乗せて足を抱え、天井とにらめっこをする。
思考を整理する時には、口に出すのが一番だ。よく人は慌てると独り言を言うが、あれも頭の中を整理しようとしての事で、オタコンは意図的にそうするうちに癖になっていた。
長年話す相手がいなかったというのもある。

「…そういえば夕飯どうしよう。ていうかどうするんだろ」

スネークは夕食の話を出さないまま出掛けていった。まさかと思うがデートでディナーもとらずに帰って来る気だろうか。
それってデートなんだろうか。

「いや、よくない。そういうのよくない!」

その辺はぜひともはっきりさせようという気になる。
もちろんディナーは当然済ましてくるから好きにしろ、って事なんだったらそれで良いわけで、問題がない。
しかし相棒の性分を考えると、この旅に限っては、断りもなく食事を取ってくることになっているとは考えにくいのも事実だ。

「あ、そうだよ、なんか買ってきてもらえばいいんだ」

ルームサービスが頼めないとか、どうしてもほしい物があるとか、何かそんな理由で。どうせ来たらチョコを渡して嘘だとばらしてしまうのだから、口実は何でもいい。
宇宙人が来たとか…では帰ってきてもらえないかもしれないからやめておこう、等々と考えながら、携帯を手に取る。
しかし電話は邪魔になるかもしれないと思い直して、パソコンからメールを打っておくことにした。

「よし、これでいこう。ディナーのお店に行く途中に何か食べ物買ってきて。…ちゃんとディナーまでご一緒するんだよ、と」

内容が決まる端から打ち込んでいき、時間が分かったら知らせてほしいと添えた。
それまでにチョコレートショップに行って帰ってきて、何事もなかったように彼を迎えなくてはならない。
送信ボタンを押すと、ミッション開始だ。
携帯のGPS機能を切るにあたって気づかれないように、返事が来るまではシンポジウムの準備をする事にした。
もし電話がきてしまったら、先ほどの適当な理由で乗りきろう、そんな風に考えながら、資料を出して並べていく。
年に一度のジョークの祭典に、今年も参加できそうでよかった。

今日はきっと、思い出深い魚の日になるに違いない。







つづく


今日は語りじゃなく2本目も小説になりました!
しかしまったりな進みっぷり。これシャマラン映画並みのまったり具合だ(笑)
いや、シャマラン映画はあれが真骨頂で味なんでした。こういう例えに使うもんじゃなかった!面白いし!
アンブレイカブルとか大好き!

 

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テーマ : 二次創作:小説    ジャンル : 小説・文学
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◆プロフィール

輝思回生

Author:輝思回生
MG、特にMGSシリーズをこよなく愛しています。
こそこそしたり、遠くから眠らせたり、後ろから忍び寄って脅してみたり、なんて私にぴったりなゲームなんだ!

とにかくオタコンびいきです。
オタコンならば何でもいいという!(笑)
そしてスネークおじいちゃんのお髭愛も!

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